【初心者向け】TypeScriptをHTMLに埋め込む3つの方法とは?メリット・デメリットも比較
HTMLドキュメントにTypeScriptコードを埋め込む方法
<script>タグを使用する
これは最も簡単で基本的な方法です。HTMLドキュメントの<head>
または<body>
セクション内に<script>
タグを追加し、type
属性を"text/typescript"
に設定します。その後、TypeScriptコードをタグ内に直接記述します。
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>TypeScript Example</title>
<script type="text/typescript">
function greet(name: string): string {
return `Hello, ${name}!`;
}
const message = greet('TypeScript');
console.log(message);
</script>
</head>
<body>
</body>
</html>
この方法の利点は、シンプルでわかりやすいことです。しかし、コードが長くなったり複雑になったりすると、メンテナンスが難しくなるという欠点があります。
TypeScriptコンパイラを使用する
TypeScriptコンパイラを使用すると、TypeScriptコードをJavaScriptコードにトランスパイルしてから、HTMLドキュメントに埋め込むことができます。これにより、コードをより整理し、メンテナンスしやすくなります。
以下の手順で、TypeScriptコンパイラを使用してHTMLドキュメントにTypeScriptコードを埋め込むことができます。
- TypeScriptコンパイラ(例:
tsc
)をインストールします。 - TypeScriptコードを
.ts
ファイルに保存します。 - 以下のコマンドを実行して、TypeScriptコードをJavaScriptコードにトランスパイルします。
tsc <input.ts> --outDir <output.js>
- HTMLドキュメントに
<script>
タグを追加し、src
属性を使用してトランスパイルされたJavaScriptファイルを指定します。
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>TypeScript Example</title>
<script src="output.js"></script>
</head>
<body>
</body>
</html>
この方法の利点は、コードをより整理し、メンテナンスしやすくできることです。また、TypeScriptのすべての機能を利用することができます。一方、tsc
コマンドを手動で実行する必要があるという欠点があります。
上記以外にも、以下のような方法でHTMLドキュメントにTypeScriptコードを埋め込むことができます。
- TypeScript拡張機能を使用する
- BrowserifyやWebpackなどのビルドツールを使用する
注意点
HTMLドキュメントにTypeScriptコードを埋め込む場合、以下の点に注意する必要があります。
- TypeScriptコードをデバッグするには、専用のデバッグツールが必要となります。
- ブラウザは古いバージョンのJavaScriptエンジンを搭載している可能性があるため、すべてのブラウザでTypeScriptコードが動作するとは限りません。
function greet(name: string): string {
return `Hello, ${name}!`;
}
const message = greet('TypeScript');
console.log(message);
tsc greet.ts --outDir output
HTMLドキュメント(index.html)
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>TypeScript Example</title>
<script src="output/greet.js"></script>
</head>
<body>
</body>
</html>
説明
- 最初のTypeScriptコード(
greet.ts
)は、greet
という名前の関数を定義します。この関数は、name
というパラメータ(文字列型)を受け取り、Hello, ${name}!
という文字列を返します。次に、message
という変数にgreet
関数を呼び出し、引数として"TypeScript"
を渡します。最後に、console.log
を使用してmessage
変数の値を出力します。 - 次のコマンドは、
tsc
コンパイラを使用して、greet.ts
ファイルをoutput
ディレクトリ内のgreet.js
ファイルにトランスパイルします。 - 最後のHTMLドキュメント(
index.html
)は、<script>
タグを使用して、トランスパイルされたJavaScriptファイル(greet.js
)をロードします。
Hello, TypeScript!
package.json
{
"name": "typescript-example",
"version": "1.0.0",
"main": "index.html",
"devDependencies": {
"browserify": "^17.0.0",
"tsify": "^5.0.0"
},
"scripts": {
"start": "browserify index.ts -o bundle.js"
}
}
index.ts
// ... (上記と同じTypeScriptコード)
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>TypeScript Example</title>
<script src="bundle.js"></script>
</head>
<body>
</body>
</html>
この例では、package.json
ファイルには、BrowserifyとTsify(TypeScriptをJavaScriptに変換するためのツール)のdevDependenciesが指定されています。scripts
セクションには、start
スクリプトが定義されており、これはbrowserify
コマンドを使用してTypeScriptコードをbundle.js
というJavaScriptファイルにバンドルします。index.html
ファイルは、バンドルされたJavaScriptファイルをロードします。
Visual Studio Codeなどのコードエディタには、TypeScript拡張機能が用意されています。これらの拡張機能を使用すると、HTMLドキュメント内でTypeScriptコードを記述し、リアルタイムでブラウザでプレビューすることができます。
Visual Studio Code用のTypeScript拡張機能
これらの拡張機能を使用するには、まず拡張機能をインストールする必要があります。次に、HTMLドキュメント内に.ts
拡張子のファイルを保存し、TypeScriptコードを記述します。コードエディタは、TypeScriptコードを自動的に検出し、エラーチェックや補完機能を提供します。また、Ctrl+F5
キーを押すことで、ブラウザでプレビューすることができます。
- リアルタイムでブラウザでプレビューしたい場合は、TypeScript拡張機能を使用する方法がおすすめです。
- より複雑なプロジェクトで、コードをバンドルする必要がある場合は、BrowserifyやWebpackなどのビルドツールを使用する**方法がおすすめです。
- コードをより整理し、メンテナンスしやすくしたい場合は、TypeScriptコンパイラを使用する方法がおすすめです。
- シンプルでわかりやすい方法が必要な場合は、
<script>
タグを使用する方法がおすすめです。
typescript