JavaScriptでHTMLエスケープ
JavaScriptにおけるHTMLSpecialCharsに相当する関数
HTMLSpecialCharsは、PHPにおける関数で、HTML特殊文字をエンティティに変換する役割を果たします。JavaScriptでも、同様の機能を提供する関数があります。
JavaScriptでのHTMLエンティティ変換関数
-
encodeURIComponent()
- URLエンコード用ですが、HTML特殊文字の多くもエンコードされます。
- 文字列全体をエンコードするため、必要に応じて部分的なエンコードやデコードが必要です。
const text = "Hello, <script>alert('XSS');</script>"; const encodedText = encodeURIComponent(text); console.log(encodedText); // Output: Hello%2C%20%3Cscript%3Ealert%28'XSS'%29%3C%2Fscript%3E
-
escape()
- 廃止された関数ですが、一部のブラウザでまだサポートされています。
- 多くのHTML特殊文字をエンコードしますが、URLエンコードとは異なる形式を使用します。
const text = "Hello, <script>alert('XSS');</script>"; const encodedText = escape(text); console.log(encodedText); // Output: Hello%2C%20%3Cscript%3Ealert%28'XSS'%29%3C%2Fscript%3E
-
カスタム関数
- HTML特殊文字の変換ルールを細かく制御したい場合は、カスタム関数を作成できます。
- 必要な特殊文字を指定し、対応するエンティティに置き換えるロジックを実装します。
function escapeHTML(text) { return text.replace(/[<>&"]/g, function (match) { switch (match) { case '<': return '<'; case '>': return '>'; case '&': return '&'; case '"': ret urn '"'; default: return match; } }); } const text = "Hello, <script>alert('XSS');</script>"; const encodedText = escapeHTML(text); console.log(encodedText); // Output: Hello, <script>alert('XSS');</script>
注意
- カスタム関数を用いることで、より適切なエンティティ変換を実現できますが、実装が複雑になる可能性があります。
encodeURIComponent()
とescape()
は、HTMLエンティティ変換の目的には使用できますが、URLエンコードの仕様に準拠しているため、一部の特殊文字が過剰にエンコードされる場合があります。
選択基準
- 一般的には、カスタム関数が柔軟性と正確性を提供するため、複雑なエンティティ変換が必要な場合はカスタム関数を検討することをおすすめします。
- どの関数を使用するかは、具体的な使用状況や必要なエンティティ変換の範囲によって異なります。
JavaScriptにおけるHTMLエスケープの例
const text = "Hello, <script>alert('XSS');</script>";
const encodedText = encodeURIComponent(text);
console.log(encodedText); // Output: Hello%2C%20%3Cscript%3Ealert%28'XSS'%29%3C%2Fscript%3E
- 用途
URLパラメータやクエリ文字列を安全に扱う場合などに使用されます。 - 説明
encodeURIComponent()
は、URLエンコード用の関数ですが、HTML特殊文字もエンコードされます。
escape()関数(非推奨)
const text = "Hello, <script>alert('XSS');</script>";
const encodedText = escape(text);
console.log(encodedText); // Output: Hello%2C%20%3Cscript%3Ealert%28'XSS'%29%3C%2Fscript%3E
- 用途
HTML特殊文字をエンコードする目的には使用できますが、encodeURIComponent()
よりも推奨されません。 - 説明
escape()
は、廃止された関数ですが、一部のブラウザでまだサポートされています。
カスタム関数
function escapeHTML(text) {
return text.replace(/[<>&"]/g, function (match) {
switch (match) {
case '<': return '<';
case '>': return '>';
case '&': return '&';
case '"': ret urn '"';
default: return match;
}
});
}
const text = "Hello, <script>alert('XSS');</script>";
const encodedText = escapeHTML(text);
console.log(encodedText); // Output: Hello, <script>alert('XSS');</script>
- 用途
複雑なエンティティ変換が必要な場合や、特定の特殊文字のみをエンコードしたい場合に使用されます。 - 説明
カスタム関数を作成することで、HTML特殊文字の変換ルールを細かく制御できます。
- カスタム関数は、柔軟性と正確性を提供しますが、実装が複雑になる可能性があります。
escape()
は非推奨であり、使用は避けるべきです。encodeURIComponent()
は、URLエンコードの用途に適していますが、HTMLエンティティ変換の目的には過剰なエンコードが発生する可能性があります。
DOM操作を利用したエスケープ
const text = "Hello, <script>alert('XSS');</script>";
const element = document.createElement('div');
element.textContent = text;
const escapedText = element.innerHTML;
console.log(escapedText); // Output: Hello, <script>alert('XSS');</script>
- 用途
DOM操作を行う場合に、HTMLエスケープを簡潔に実装できます。 - 説明
DOM要素のtextContent
プロパティにテキストを設定し、innerHTML
プロパティを取得することで、ブラウザが自動的にHTMLエスケープを行います。
テンプレートリテラルの式
const text = "Hello, <script>alert('XSS');</script>";
const escapedText = `Hello, ${text}`;
console.log(escapedText); // Output: Hello, <script>alert('XSS');</script>
- 用途
テンプレートリテラルを使用する際に、HTMLエスケープを簡潔に実装できます。 - 説明
テンプレートリテラルの式内で変数を展開すると、ブラウザが自動的にHTMLエスケープを行います。
ライブラリやフレームワークの機能
- Angular
innerHTML
バインディングを使用することで、HTMLエスケープを回避できます。 - Vue.js
v-html
ディレクティブを使用することで、HTMLエスケープを回避できます。 - React
dangerouslySetInnerHTML
プロパティを使用することで、HTMLエスケープを回避できます。
これらのライブラリやフレームワークでは、HTMLエスケープを回避する機能を提供しているため、適切な使用法に従ってHTMLを安全に表示することができます。
- ライブラリやフレームワーク
より複雑なHTMLエスケープが必要な場合や、特定のフレームワークを使用している場合に適しています。 - DOM操作やテンプレートリテラル
シンプルなHTMLエスケープが必要な場合や、DOM操作やテンプレートリテラルを使用している場合に適しています。
javascript html escaping