CORSプリフライトリクエストの代替方法:JSONP、CORSプロキシ、WebSocket、SSE

2024-04-09

CORSプリフライトリクエストの導入理由

CORSは、異なるオリジン間のリソース共有を安全に行うための仕組みです。しかし、すべてのリクエストを許可してしまうと、セキュリティ上のリスクが生じるため、プリフライトリクエストという仕組みが導入されました。

プリフライトリクエストは、本番のリクエストを送信する前に、サーバーに送信されるオプションリクエストです。このリクエストによって、サーバーは、クライアントがリソースにアクセスする許可があるかどうかを確認することができます。

プリフライトリクエストの導入により、以下のメリットがあります。

  • セキュリティの強化: サーバーは、クライアントがリソースにアクセスする許可があるかどうかを事前に確認できるため、悪意のあるリクエストを防ぐことができます。
  • 互換性の向上: 異なるブラウザやサーバー間で、CORSをより簡単に実装できるようになります。

プリフライトリクエストは、以下のリクエストヘッダーを使用して送信されます。

  • Origin: クライアントのオリジン
  • Access-Control-Request-Method: 本番のリクエストで使用されるメソッド

サーバーは、以下のレスポンスヘッダーを使用して、クライアントにアクセス許可を与えるかどうかを伝えます。

  • Access-Control-Allow-Origin: クライアントのオリジンへのアクセス許可
  • リクエストメソッドが GETPOSTPUTDELETE 以外の場合は、必ず送信されます。
  • リクエストヘッダーに Content-Type ヘッダーが含まれている場合は、送信されます。



CORSプリフライトリクエストのサンプルコード

HTML

<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
  <meta charset="UTF-8">
  <meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
  <title>CORSプリフライトリクエストサンプル</title>
</head>
<body>
  <button onclick="getData()">データを取得</button>
  <div id="result"></div>

  <script>
    function getData() {
      const xhr = new XMLHttpRequest();
      xhr.open("GET", "https://api.example.com/data");
      xhr.setRequestHeader("Content-Type", "application/json");
      xhr.onload = function() {
        if (xhr.status === 200) {
          const data = JSON.parse(xhr.responseText);
          document.getElementById("result").innerHTML = data.message;
        } else {
          console.error(xhr.statusText);
        }
      };
      xhr.send();
    }
  </script>
</body>
</html>

JavaScript

function getData() {
  const xhr = new XMLHttpRequest();
  xhr.open("GET", "https://api.example.com/data");
  xhr.setRequestHeader("Content-Type", "application/json");
  xhr.onload = function() {
    if (xhr.status === 200) {
      const data = JSON.parse(xhr.responseText);
      document.getElementById("result").innerHTML = data.message;
    } else {
      console.error(xhr.statusText);
    }
  };
  xhr.send();
}

このコードを実行すると、ブラウザのコンソールに以下のメッセージが表示されます。

Access to XMLHttpRequest at 'https://api.example.com/data' from origin 'https://localhost:8080' has been blocked by CORS policy: No 'Access-Control-Allow-Origin' header is present on the requested resource.
Access-Control-Allow-Origin: https://localhost:8080



CORSプリフライトリクエスト以外の方法

  • 複雑な処理: プリフライトリクエストは、本番のリクエストとは別に送信されるため、処理が複雑になります。
  • パフォーマンスの低下: プリフライトリクエストは、本番のリクエストの前に送信されるため、パフォーマンスが低下します。

これらのデメリットを回避するために、以下の代替方法が考えられます。

JSONP

JSONPは、JSON形式のデータを取得するための技術です。JSONPでは、<script>タグを使用して、異なるオリジンにあるJavaScriptファイルを読み込みます。

JSONPは、以下のメリットがあります。

  • シンプルな処理: プリフライトリクエストが不要なため、処理がシンプルです。
  • セキュリティ上のリスク: JSONPは、クロスサイトスクリプティング攻撃(XSS)などのセキュリティ上のリスクがあります。
  • すべての状況で使用できるわけではない: JSONPは、すべての状況で使用できるわけではありません。

CORSプロキシ

CORSプロキシは、異なるオリジン間のリソース共有を仲介するサーバーです。CORSプロキシは、クライアントからのリクエストを受け取り、サーバーに送信し、サーバーからのレスポンスをクライアントに返します。

  • セキュリティの強化: CORSプロキシは、異なるオリジン間の通信を仲介することで、セキュリティを強化することができます。
  • すべての状況で使用できる: CORSプロキシは、すべての状況で使用することができます。
  • 複雑な設定: CORSプロキシは、設定が複雑です。

WebSocket

WebSocketは、異なるオリジン間で双方向通信を行うための技術です。WebSocketは、サーバーとクライアントの間でリアルタイムな通信を行うことができます。

  • リアルタイム通信: WebSocketは、サーバーとクライアントの間でリアルタイムな通信を行うことができます。
  • ブラウザの対応: WebSocketは、すべてのブラウザで対応しているわけではありません。
  • 複雑な実装: WebSocketは、実装が複雑です。

Server-Sent Events (SSE)

**Server-Sent Events (SSE)**は、サーバーからクライアントにリアルタイムでデータを送信するための技術です。SSEは、サーバーからのデータ更新をクライアントに自動的に反映することができます。

  • リアルタイムデータ送信: SSEは、サーバーからのデータ更新をクライアントに自動的に反映することができます。
  • シンプルな実装: SSEは、実装が比較的シンプルです。
  • 双方向通信: SSEは、サーバーからクライアントへの一方通行の通信しかできません。

どの方法を選択するべきかは、具体的な状況によって異なります。以下の点を考慮する必要があります。

  • セキュリティ: セキュリティが重要な場合は、CORSプロキシWebSocket を使用するのがおすすめです。
  • パフォーマンス: パフォーマンスが重要な場合は、JSONP を使用するのがおすすめです。
  • ブラウザの対応: ブラウザの対応状況を考慮する必要があります。
  • 実装の複雑さ: 実装の複雑さを考慮する必要があります。

CORSプリフライトリクエストは、異なるオリジン間のリソース共有を安全に行うための有効な手段ですが、いくつかのデメリットもあります。

CORSプリフライトリクエスト以外の方法として、JSONPCORSプロキシWebSocketServer-Sent Events (SSE) などがあります。


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