JavaScript 非同期処理の待機:Promise、async/awaitを超えた多様なアプローチ

2024-05-18

JavaScript における同期処理とは?

同期処理 とは、コードを上から順番に処理していく方式です。つまり、前の処理が終わるまで次の処理は実行されない ということを意味します。

一方、非同期処理 は、前の処理が終わるのを待たずに次の処理を開始し、処理が完了したタイミングで結果を処理するという方式です。

JavaScript の同期処理の例

以下は、JavaScript の同期処理の例です。

console.log('1'); // 最初にコンソールに '1' を出力
console.log('2'); // 次にコンソールに '2' を出力
console.log('3'); // 最後にコンソールに '3' を出力

このコードでは、 console.log('1') が実行され、コンソールに '1' が出力されます。 次に console.log('2') が実行され、コンソールに '2' が出力されます。 そして最後に console.log('3') が実行され、コンソールに '3' が出力されます。 このように、コードは上から順番に処理されていきます。

jQuery での同期処理の実現方法

jQuery で同期処理を実現するには、$.ajax() メソッドasync オプションを false に設定します。

$.ajax({
  url: '/data.json',
  async: false,
  success: function(data) {
    // データ処理
  },
  error: function(error) {
    console.error(error);
  }
});

このコードでは、/data.json という URL に非同期リクエストを送信します。 しかし、async オプションを false に設定しているため、リクエストが完了するまで次の処理は実行されません。

同期処理の注意点

JavaScript における同期処理は、プログラムを分かりやすく記述できるという利点があります。 しかし、以下のような注意点もあります。

  • パフォーマンスへの影響: 同期処理は、非同期処理よりもパフォーマンスに影響を与えやすいです。 これは、前の処理が終わるまで次の処理を実行できないためです。
  • UI のブロック: 同期処理が長い場合、UI がブロックされてしまう可能性があります。 これは、ユーザーが操作を受け付けなくなるため、問題となる可能性があります。

プログラムを開発する際には、これらの点を考慮し、適切な処理方式を選択することが重要です。




非同期処理と同期処理の違い

function nonAsync() {
  console.log('非同期処理開始');
  // 非同期処理をシミュレートするために、setTimeout() を使用する
  setTimeout(function() {
    console.log('非同期処理完了');
  }, 1000);
  console.log('非同期処理完了(実際には完了していない)');
}

function async() {
  console.log('同期処理開始');
  console.log('同期処理完了');
}

nonAsync();
async();

このコードを実行すると、以下の出力が得られます。

同期処理開始
同期処理完了
非同期処理開始
非同期処理完了(実際には完了していない)
  • nonAsync() 関数は、非同期処理をシミュレートするために setTimeout() を使用しています。
  • async() 関数は、同期処理を実行します。

上記のコードでは、nonAsync() 関数は console.log('非同期処理開始') を出力してから setTimeout() を呼び出し、1 秒後に console.log('非同期処理完了') を出力するように指示します。

しかし、setTimeout() は非同期処理であるため、console.log('非同期処理完了(実際には完了していない)') はすぐに実行され、実際には非同期処理が完了していないにもかかわらず、完了したように表示されます。

一方、async() 関数は同期処理であるため、console.log('同期処理開始')console.log('同期処理完了') は順番に実行されます。

jQuery による同期処理の実現

以下のコードは、jQuery を使用して同期処理を実現する例です。

$.ajax({
  url: '/data.json',
  async: false,
  success: function(data) {
    console.log('データ取得完了:', data);
  },
  error: function(error) {
    console.error(error);
  }
});

console.log('次の処理');

このコードでは、/data.json という URL に非同期リクエストを送信します。

しかし、async オプションを false に設定しているため、リクエストが完了するまで console.log('次の処理') は実行されません。

その他のサンプルコード

以下のリソースでは、JavaScript と jQuery における同期処理と非同期処理に関するその他のサンプルコードを確認できます。

    これらのサンプルコードを参考に、JavaScript と jQuery における同期処理と非同期処理を理解し、適切に使い分けるようにしましょう。




    JavaScript で非同期処理を待つその他の方法

    コールバック関数:

    非同期処理完了時に実行される関数を事前に定義しておき、非同期処理を実行する際にその関数を引数として渡す方法です。

    最も基本的な方法ですが、コードが煩雑になりやすく、ネストが深くなると読みづらくなるという欠点があります。

    function getData(url, callback) {
      // 非同期処理を行う
      setTimeout(() => {
        const data = { message: '非同期処理完了' };
        callback(data);
      }, 1000);
    }
    
    getData('/data.json', function(data) {
      console.log(data); // { message: '非同期処理完了' }
    });
    

    イベントリスナー:

    非同期処理が完了時に発生するイベントを待ち、イベントリスナーで処理を実行する方法です。

    const emitter = new EventEmitter();
    
    emitter.on('data', function(data) {
      console.log(data); // { message: '非同期処理完了' }
    });
    
    getData('/data.json', function(data) {
      emitter.emit('data', data);
    });
    

    RxJS:

    Reactive Extensions for JavaScript の略称で、非同期処理を扱うためのライブラリです。

    Observable と呼ばれるデータストリームを用いて、非同期処理を流れるデータを購読し、処理を実行することができます。

    記法が複雑で習得コストが高いという欠点がありますが、コードが直感的になり、メンテナンスしやすいという利点があります。

    import { Observable } from 'rxjs';
    
    const dataObservable = Observable.create(observer => {
      // 非同期処理を行う
      setTimeout(() => {
        observer.next({ message: '非同期処理完了' });
        observer.complete();
      }, 1000);
    });
    
    dataObservable.subscribe(data => console.log(data));
    

    Redux:

    単方向データフローアーキテクチャに基づいた、アプリケーションの状態管理ライブラリです。

    非同期処理の結果を Action として発行し、Reducer で処理することで、アプリケーションの状態を更新することができます。

    複雑な状態管理に適していますが、学習コストが高く、シンプルな非同期処理にはオーバースペックという欠点があります。

    const store = createStore(reducer);
    
    store.dispatch({ type: 'FETCH_DATA' });
    
    store.subscribe(() => {
      const data = store.getState().data;
      if (data) {
        console.log(data); // { message: '非同期処理完了' }
      }
    });
    
    function fetchData() {
      // 非同期処理を行う
      setTimeout(() => {
        store.dispatch({ type: 'FETCH_DATA_SUCCESS', data: { message: '非同期処理完了' } });
      }, 1000);
    }
    
    fetchData();
    

    それぞれの方法の選び方:

    上記で紹介した方法はそれぞれ異なる特徴を持っています。

    使用する状況に応じて、適切な方法を選択することが重要です。

    • シンプルな非同期処理: コールバック関数
    • イベント駆動型アーキテクチャ: イベントリスナー
    • 複雑な非同期処理の管理: RxJS
    • 複雑な状態管理: Redux

    上記以外にも、Web Worker や Service Worker などの方法もありますので、状況に合わせて検討してみてください。


    javascript jquery


    JavaScriptの「let」と「var」を使いこなして、コードをもっと読みやすく!

    var: 関数スコープを持ちます。つまり、関数内で宣言された変数は、その関数内でのみアクセス可能です。let: ブロックスコープを持ちます。つまり、ブロック内(if文やforループなど)で宣言された変数は、そのブロック内でのみアクセス可能です。...


    その他の非同期処理テクニック:Generator、Observable、Web Worker

    この仕組みを理解することで、JavaScriptにおける「シングルスレッド」の本当の意味と、非同期処理を駆使した高速で滑らかなWebアプリケーション開発が可能になります。従来のプログラミング言語では、マルチスレッドと呼ばれる仕組みで複数のタスクを並行して処理することが一般的でした。一方、JavaScriptはシングルスレッドであり、一度に処理できるタスクは1つだけという制約があります。...


    JavaScript、Node.jsでPromise関数の使いこなしをレベルアップ!

    JavaScript、Node. jsにおける非同期処理において、Promiseは重要な役割を果たします。非同期処理の結果を扱う際、Promise関数は重要な役割を果たしますが、同時に、関数に値を渡す方法も理解する必要があります。本記事では、JavaScript、Node...


    JavaScript、Angular、npm でのスコープの使用方法

    スコープを使用すると、以下の利点があります。名前空間の衝突を避ける: 異なるパッケージで同じ名前のモジュールやファイルがあっても、スコープによって区別することができます。コードの読みやすさを向上させる: スコープを使用することで、コードのどの部分からモジュールやファイルが参照されているのかが明確になります。...


    React アプリケーションで JSON ファイルを読み込む 3 つの方法

    JSON ファイルを用意するまず、インポートしたい JSON ファイルを用意する必要があります。 JSON ファイルは、テキストエディタで作成することができます。 JSON ファイルの例は以下の通りです。JSON ファイルを用意したら、React コンポーネントでインポートすることができます。 JSON ファイルをインポートするには、import キーワードを使用します。...


    SQL SQL SQL SQL Amazon で見る



    【React Tips】setState の意外な落とし穴:アンマウント時の処理

    setStateは非同期処理であるため、すぐに状態が更新されるわけではありません。そのため、setState呼び出しの直後に状態を参照しても、まだ更新前の値を取得する可能性があります。Reactはパフォーマンスの向上のため、setState呼び出しをバッチ処理することがあります。これは、複数のsetState呼び出しが短時間に発生した場合、それらをまとめて処理することで、レンダリングの回数を減らすためです。バッチ処理が原因で、状態が更新されるまでに時間がかかる場合があります。