TypeScript多次元配列初期化方法

2024-10-10

TypeScriptで多次元配列を初期化する方法

TypeScriptでは、多次元配列を初期化するためのさまざまな方法があります。以下にその方法を解説します。

直接初期化

最もシンプルな方法は、直接初期化することです。各次元ごとに配列をネストして初期化します。

let multidimensionalArray: number[][] = [
  [1, 2, 3],
  [4, 5, 6],
  [7, 8, 9]
];

Array.from()メソッド

Array.from()メソッドを使用して、多次元配列を生成することもできます。

let multidimensionalArray: number[][] = Array.from({ length: 3 }, () => Array(3).fill(0));

このコードでは、3x3の多次元配列を作成し、すべての要素を0で初期化しています。

forループを使用

forループを使用して、多次元配列を動的に作成することもできます。

let rows = 3;
let cols = 3;
let multidimensionalArray: number[][] = [];

for (let i = 0; i < rows; i++) {
  multidimensionalArray[i] = [];
  for (let j = 0; j < cols; j++) {
    multidimensionalArray[i][j] = i * cols + j;
  }
}

型アサーション

型アサーションを使用して、多次元配列の型を指定することもできます。

let multidimensionalArray = [
  [1, 2, 3],
  [4, 5, 6],
  [7, 8, 9]
] as number[][];



TypeScript の多次元配列初期化のコード例解説

各コード例の詳細解説

let multidimensionalArray: number[][] = [
  [1, 2, 3],
  [4, 5, 6],
  [7, 8, 9]
];
let multidimensionalArray: number[][] = Array.from({ length: 3 }, () => Array(3).fill(0));
  • 解説
    • Array.from({ length: 3 }): 長さ3の配列を生成します。
    • () => Array(3).fill(0): 各要素に対して、長さ3の配列を生成し、すべての要素を0で埋める関数を返します。
    • Array.from と上記の関数を組み合わせることで、3x3の二次元配列を生成し、すべての要素を0で初期化します。

forループを用いた初期化

let rows = 3;
let cols = 3;
let multidimensionalArray: number[][] = [];

for (let i = 0; i < rows; i++) {
  multidimensionalArray[i] = [];
  for (let j = 0; j < cols; j++) {
    multidimensionalArray[i][j] = i * cols + j;
  }
}
  • 解説
    • rowscols に行数と列数をそれぞれ設定します。
    • 外側のforループで各行を、内側のforループで各列を処理します。
    • multidimensionalArray[i][j] = i * cols + j; の部分で、各要素に値を代入しています。この例では、行番号と列番号を組み合わせた値を代入しています。

型アサーションを用いた初期化

let multidimensionalArray = [
  [1, 2, 3],
  [4, 5, 6],
  [7, 8, 9]
] as number[][];
  • 解説
    • 型推論だけでは型が確定



より詳細な解説と応用

これまで紹介した多次元配列の初期化方法に加えて、より複雑な構造や特定のユースケースに対応するための代替方法がいくつか存在します。

型エイリアスとジェネリクス

  • 型エイリアス
    多次元配列の型をわかりやすくするため、型エイリアスを利用できます。
type Matrix = number[][];

let matrix: Matrix = [[1, 2], [3, 4]];
  • ジェネリクス
    任意の型の多次元配列を扱うために、ジェネリクスを使用できます。
type Matrix<T> = T[][];

let numberMatrix: Matrix<number> = [[1, 2], [3, 4]];
let stringMatrix: Matrix<string> = [['a', 'b'], ['c', 'd']];

スプレッド構文

配列の要素を展開する際に、スプレッド構文を使うことで、多次元配列の初期化を簡潔に記述できます。

const row = [1, 2, 3];
const matrix = [row, [...row], [...row]];

クラス

より複雑な構造を持つ多次元配列を扱う場合は、クラスを定義して、そのインスタンスとして多次元配列を表現することもできます。

class Matrix {
  data: number[][];
  constructor(rows: number, cols: number) {
    this.data = new Array(rows).fill(0).map(() => new Array(cols).fill(0));
  }
}

let matrix = new Matrix(3, 3);

ライブラリ

lodashramda などの汎用的なJavaScriptライブラリには、配列操作に関する便利な関数やメソッドが多数用意されています。これらのライブラリを利用することで、多次元配列の操作をより効率的に行うことができます。

TypeScriptのインターフェース

複雑なデータ構造を持つ多次元配列を扱う場合は、TypeScriptのインターフェースを使用して、より厳密な型定義を行うことができます。

interface Person {
  name: string;
  age: number;
}

let people: Person[][] = [
  [{ name: 'Alice', age: 30 }, { name: 'Bob', age: 25 }],
  [{ name: 'Charlie', age: 35 }]
];

どの方法を選ぶべきか

  • 効率性
    ライブラリを利用することで、より効率的なコードを書くことができます。
  • 可読性
    型エイリアスやインターフェースは、コードの可読性を向上させ、バグを防ぐのに役立ちます。
  • 汎用性
    ジェネリクスやクラスは、さまざまな型の多次元配列を扱う場合や、複雑な操作が必要な場合に適しています。
  • シンプルさ
    直接初期化やスプレッド構文は、シンプルな構造の多次元配列を初期化する際に便利です。

具体的なユースケースに合わせて、これらの方法を組み合わせて利用することで、より柔軟で効率的なTypeScriptコードを作成することができます。

追加で知りたいこと

  • ライブラリの具体的な使用方法
  • TypeScriptの型システムとの連携
  • より高度な多次元配列操作
  • 特定のユースケースでのコード例

multidimensional-array typescript



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