ReactのXSS対策について

2024-10-30

**XSS(Cross-Site Scripting)**とは、悪意のあるスクリプトをユーザーのブラウザに注入し、攻撃者がユーザーのセッションを乗っ取ったり、機密情報を盗んだりする攻撃手法です。

Reactは、デフォルトでXSS攻撃に対してある程度の保護を提供しています。これは、ReactがJSXという構文を用いて、HTMLをJavaScriptの中に埋め込む方法を採用しているためです。Reactは、JSXをレンダリングする際に、自動的にHTMLエンコードを行い、悪意のあるスクリプトが実行されないようにしています。

しかし、注意すべき点があります

  • ユーザー入力の適切なサニタイズ
    ユーザーから入力されたデータを直接レンダリングする前に、必ずサニタイズ処理を行い、悪意のあるスクリプトを除去する必要があります。
  • dangerouslySetInnerHTML
    このプロパティを使用すると、HTMLエンコーディングをバイパスして、直接HTMLをレンダリングすることができます。しかし、このプロパティは慎重に使用すべきです。信頼できないソースからのHTMLをレンダリングする場合は、XSS攻撃のリスクが高まります。



// XSS脆弱性のある例
function renderUnsafeInput(input) {
  return <div dangerouslySetInnerHTML={{ __html: input }} />;
}

// 安全な例
function renderSafeInput(input) {
  return <div>{input}</div>;
}

解説

  1. XSS脆弱性のある例

    • dangerouslySetInnerHTMLプロパティを使用することで、直接HTMLをレンダリングしています。
    • ユーザーから直接入力されたデータ(input)をそのままレンダリングするため、XSS攻撃に脆弱です。
    • 例えば、ユーザーが入力した値が <script>alert('XSS攻撃!')</script> の場合、ブラウザはスクリプトを実行してしまいます。
  2. 安全な例

    • ReactはデフォルトでHTMLエンコーディングを行うため、ユーザー入力(input)を直接レンダリングしても、XSS攻撃を防ぐことができます。
    • Reactは、<div>タグ内にテキストノードとしてレンダリングするため、ブラウザはスクリプトとして解釈しません。



ReactはデフォルトでXSS攻撃に対してある程度の保護を提供していますが、より厳密なセキュリティ対策が必要な場合、以下の手法を検討することができます。

ライブラリによるサニタイズ

  • DOMPurify
    • HTMLを安全な形式にクリーンアップするライブラリです。
    • ユーザー入力や外部ソースからのHTMLをサニタイズするのに使用できます。
import DOMPurify from 'dompurify';

function renderSanitizedInput(input) {
  const sanitizedHtml = DOMPurify.sanitize(input);
  return <div dangerouslySetInnerHTML={{ __html: sanitizedHtml }} />;
}

サーバーサイドレンダリング (SSR)

  • サーバー側で適切なサニタイズ処理を行うことで、クライアント側でのXSS攻撃のリスクを軽減できます。
  • サーバー側でHTMLを生成し、クライアントに配信します。

Content Security Policy (CSP)

  • script-src 'self' などを設定することで、信頼できるソースからのスクリプトのみを実行するように制限できます。
  • ブラウザにセキュリティポリシーを設定し、スクリプトの実行を制限します。

注意

  • セキュリティの継続的な監視
    新たな脆弱性や攻撃手法が常に登場するため、最新のセキュリティ情報を把握し、定期的なセキュリティ監査を実施することが重要です。
  • dangerouslySetInnerHTMLの使用は最小限に抑える
    このプロパティは強力ですが、誤用するとXSS攻撃のリスクが高まります。

reactjs security xss



Reactでカスタム属性にアクセスする

Reactでは、イベントハンドラーに渡されるイベントオブジェクトを使用して、イベントのターゲット要素に関連付けられたカスタム属性にアクセスすることができます。カスタム属性を設定ターゲット要素にカスタム属性を追加します。例えば、data-プレフィックスを使用するのが一般的です。<button data-custom-attribute="myValue">Click me</button>...


ReactJSのエラー解決: '<'トークン問題

日本語解説ReactJSで開発をしている際に、しばしば遭遇するエラーの一つに「Unexpected token '<'」があります。このエラーは、通常、JSXシンタックスを正しく解釈できない場合に発生します。原因と解決方法JSXシンタックスの誤り タグの閉じ忘れ すべてのタグは、対応する閉じタグが必要です。 属性の引用 属性値は常に引用符(シングルまたはダブル)で囲む必要があります。 コメントの誤り JavaScriptスタイルのコメント(//や/* ... */)は、JSX内で使用できません。代わりに、HTMLスタイルのコメント(``)を使用します。...


React ドラッグ機能実装ガイド

React でコンポーネントや div をドラッグ可能にするには、通常、次のステップに従います。React DnD ライブラリを使用することで、ドラッグアンドドロップ機能を簡単に実装できます。このライブラリの useDrag フックは、ドラッグ可能な要素を定義するために使用されます。...


JavaScript, React.js, JSX: 複数の入力要素を1つのonChangeハンドラーで識別する

問題 React. jsで複数の入力要素(例えば、複数のテキストフィールドやチェックボックス)があり、それぞれに対して同じonChangeハンドラーを適用したい場合、どのように入力要素を区別して適切な処理を行うことができるでしょうか?解決方法...


Reactの仮想DOMでパフォーマンスを劇的に向上させる!仕組みとメリットを完全網羅

従来のDOM操作と汚れたモデルチェック従来のWeb開発では、DOMを直接操作することでユーザーインターフェースを構築していました。しかし、DOM操作はコストが高く、パフォーマンスの低下を招きます。そこで、汚れたモデルチェックという手法が登場しました。これは、DOMの状態をモデルとして保持し、変更があった箇所のみを更新することで、パフォーマンスを向上させるものです。...



SQL SQL SQL SQL Amazon で見る



`eval`関数の危険性と代替案

eval関数は、JavaScriptコードを文字列として受け取り、それを実行する関数です。一見便利に思えるかもしれませんが、セキュリティ上のリスクやパフォーマンスの問題を引き起こす可能性があるため、使用を避けるべきです。コードインジェクション eval関数を使用して、信頼できないソースからのコードを実行すると、コードインジェクション攻撃のターゲットになる可能性があります。攻撃者は、悪意のあるコードを注入して、システムにアクセスしたり、データを盗んだりすることができます。


GETとPOSTの安全性について

POST:リクエストボディにパラメータを隠して送信します。URLには表示されず、履歴やブックマークに残ることはありません。GET:URLにパラメータを直接追加して送信します。リクエストの内容がURLに公開されるため、履歴やブックマークに残る可能性があります。


Node.jsポート80運用ガイド

日本語訳Linux、Node. js、セキュリティに関連して、UbuntuやLinode上でNode. jsをポート80で実行する際のベストプラクティスについて説明します。Node. jsセキュリティモジュール helmetなどのセキュリティモジュールを使用して、共通の脆弱性を軽減してください。 クロスサイトスクリプティング (XSS)、クリックジャッキング、HTTPヘッダー注入などの攻撃を防ぎます。


JavaScriptとReactJSにおけるthis.setStateの非同期処理と状態更新の挙動

解決策:オブジェクト形式で状態を更新する: 状態を更新する場合は、オブジェクト形式で更新するようにする必要があります。プロパティ形式で更新すると、既存のプロパティが上書きされてしまう可能性があります。非同期処理を理解する: this. setStateは非同期処理であるため、状態更新が即座に反映されないことを理解する必要があります。状態更新後に何か処理を行う場合は、コールバック関数を使用して、状態更新が完了してから処理を行うようにする必要があります。


Reactでブラウザリサイズ時にビューを再レンダリングする

JavaScriptやReactを用いたプログラミングにおいて、ブラウザのサイズが変更されたときにビューを再レンダリングする方法について説明します。ReactのuseEffectフックは、コンポーネントのレンダリング後に副作用を実行するのに最適です。ブラウザのサイズ変更を検知し、再レンダリングをトリガーするために、以下のように使用します。