Reduxステート永続化解説
ReactJS, Redux, Fluxにおける「リフレッシュ時のReduxステートツリーの永続化」の日本語解説
前提知識
- Flux
Facebookが開発したアプリケーションアーキテクチャパターンで、ReduxはFluxの原則に基づいています。 - Redux
アプリケーションのステートを管理するための予測可能なステートコンテナです。 - ReactJS
JavaScriptライブラリで、ユーザーインターフェイスの開発に使用されます。
問題:「リフレッシュ時のReduxステートツリーの永続化」
ブラウザのリフレッシュやページ遷移が行われると、通常、JavaScriptのメモリに格納されているデータは失われます。これにより、Reduxステートツリーも失われ、アプリケーションの状態が初期化されてしまいます。
解決方法
-
ローカルストレージまたはセッションストレージの使用
-
保存方法
- Reduxストアのサブスクライブ関数内で、ストアの状態が変更されるたびにローカルストレージまたはセッションストレージに保存します。
- アプリケーションが初期化されるときに、ローカルストレージまたはセッションストレージから保存された状態を読み込み、Reduxストアに設定します。
-
サーバーサイドレンダリング(SSR):
- サーバー側でHTMLを生成し、ブラウザに送信します。
- SSRを使用すると、初期レンダリング時にReduxステートツリーがサーバーからブラウザに渡され、ブラウザ側でHydration(クライアント側のレンダリング)が行われます。
- これにより、ブラウザのリフレッシュでも初期状態が保持されます。
コード例(ローカルストレージを使用する場合):
import { createStore } from 'redux';
// Reduxストアの初期状態
const initialState = {
counter: 0
};
// リデューサー
const reducer = (state = initialState, action) => {
switch (action.type) {
case 'INCREMENT':
return { ...state, counter: state.counter + 1 };
default:
return state;
}
};
// Reduxストアの作成
const store = createStore(reducer);
// ストアの状態が変更されたときにローカルストレージに保存
store.subscribe(() => {
localStorage.setItem('reduxState', JSON.stringify(store.getState()));
});
// アプリケーションが初期化されるときにローカルストレージから状態を読み込む
const savedState = localStorage.getItem('reduxState');
if (savedState) {
store.dispatch({ type: 'LOAD_STATE', payload: JSON.parse(savedState) });
}
注意
- SSRはより複雑な実装が必要ですが、より良いユーザーエクスペリエンスを提供することができます。
- セキュリティ上の考慮事項から、機密情報をローカルストレージまたはセッションストレージに保存することは避けてください。
Reduxステート永続化解説:コード例
前提
localStorage
を使用してステートを永続化します。redux
ライブラリを使用していることを前提とします。
ステートの保存
import { createStore } from 'redux';
// リデューサー
const reducer = (state = initialState, action) => {
// ...
};
// ストアの作成
const store = createStore(reducer);
// ステートが変更されたときにローカルストレージに保存
store.subscribe(() => {
localStorage.setItem('reduxState', JSON.stringify(store.getState()));
});
- コールバック関数内で、
JSON.stringify(store.getState())
で現在のステートをJSON文字列に変換し、localStorage.setItem()
でローカルストレージに保存します。 store.subscribe()
でストアのサブスクライブを行い、ステートが変更されるたびにコールバック関数が実行されます。
ステートの読み込み
// アプリケーションの初期化時にローカルストレージからステートを読み込む
const savedState = localStorage.getItem('reduxState');
if (savedState) {
store.dispatch({ type: 'LOAD_STATE', payload: JSON.parse(savedState) });
}
- 読み込まれたステートが存在する場合、
store.dispatch()
でLOAD_STATE
アクションをディスパッチし、リデューサーでステートを更新します。 - アプリケーションの初期化時に、
localStorage.getItem()
でローカルストレージから保存されたステートを読み込みます。
リデューサーでのステート更新
const reducer = (state = initialState, action) => {
switch (action.type) {
case 'LOAD_STATE':
return action.payload;
// ...
}
};
LOAD_STATE
アクションがディスパッチされた場合、リデューサーでaction.payload
を新しいステートとして返します。
全体的な流れ
- アプリケーションが初期化されると、ローカルストレージから保存されたステートを読み込みます。
- 読み込まれたステートが存在する場合、リデューサーでステートを更新します。
- ステートが変更されるたびに、ローカルストレージに保存されます。
- 他の永続化方法(例えば、サーバーサイドレンダリング)も検討することができます。
- 機密情報をローカルストレージに保存することはセキュリティ上のリスクがあります。必要に応じて、暗号化などの対策を施してください。
Reduxステート永続化の代替方法
- 初期レンダリング時にReduxステートツリーがサーバーからブラウザに渡されるため、ブラウザのリフレッシュでも初期状態が保持されます。
クライアントサイドレンダリング(CSR)とサーバーサイドレンダリングのハイブリッド
- 初期レンダリングはSSRで行い、その後はCSRに切り替えることで、パフォーマンスとSEOのバランスを保つことができます。
- CSRとSSRの両方の利点を組み合わせたアプローチです。
URLパラメータまたはハッシュ
- ブラウザのリフレッシュやページ遷移時に、URLからステートを復元することができます。
- ReduxステートをURLパラメータまたはハッシュとしてエンコードし、ブラウザの履歴に保存します。
IndexedDB
- 複雑なデータ構造や大量のデータを永続化する場合に適しています。
- ブラウザのローカルストレージよりも大容量のデータを保存できるデータベースです。
Cookie
- ステートをCookieに保存し、ブラウザのリフレッシュやページ遷移時に復元することができます。
- HTTPリクエストとレスポンスに含まれる小さなテキストファイルです。
Web Storage API
localStorage
はブラウザのセッションを超えてデータを保存し、sessionStorage
はブラウザのセッション中にのみデータを保存します。localStorage
とsessionStorage
の両方を提供するAPIです。
選択基準
- セキュリティ
機密情報を保存する場合は、暗号化などの対策が必要です。 - 複雑さ
URLパラメータやハッシュはシンプルですが、複雑なステートをエンコードするには制限があります。 - パフォーマンス
SSRは初期レンダリングの速度が速く、SEOにも有利です。 - データ量
大量のデータを保存する必要がある場合は、IndexedDBやサーバーサイドレンダリングが適しています。
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