Angularの変更検知フック:ngOnChanges vs DoCheck、使い分け完全ガイド

2024-05-22

AngularにおけるngOnChangesとDoCheckの違い

役割

  • ngOnChanges:
    • コンポーネントに入力バインドされた値が変更された際に呼び出されます。
    • 変更されたプロパティと新しい値にアクセスできます。
    • 主に、入力バインドされた値に基づいてコンポーネントの状態を更新するために使用されます。
  • DoCheck:
    • コンポーネントの変更検知が実行されるたびに呼び出されます。
    • コンポーネント自身のプロパティ変更だけでなく、子コンポーネントやサービスからの変更も検知できます。
    • 主に、コンポーネント内部の複雑なロジックやデータフローを管理するために使用されます。

タイミング

  • ngOnChanges:
    • DoCheck:
      • 子コンポーネントの変更検知が実行された後、親コンポーネントの変更検知が実行される前に呼び出されます。

    使い分け

    • ngOnChanges:
      • 入力バインドされた値に基づいて単純な処理を行う場合に適しています。
      • 例えば、フォーム入力値に基づいてコンポーネントの表示を切り替える場合などです。
    • DoCheck:
      • 例えば、複数のプロパティ間の依存関係を処理したり、非同期処理を管理する場合などです。

    まとめ

    • ngOnChangesは、入力バインドされた値の変更に特化したフックです。
    • DoCheckは、より汎用的な変更検知フックであり、コンポーネント内部の複雑なロジックを管理するために使用されます。
    • それぞれの役割とタイミングを理解し、適切な使い分けることが重要です。



      ngOnChanges

      import { Component, Input, OnChanges } from '@angular/core';
      
      @Component({
        selector: 'my-component',
        template: `
          <p>Input value: {{ inputValue }}</p>
        `,
      })
      export class MyComponent implements OnChanges {
        @Input() inputValue: string;
      
        ngOnChanges(changes: SimpleChanges) {
          if (changes.inputValue) {
            console.log('Input value changed to:', this.inputValue);
            // 入力バインドされた値に基づいて処理を行う
          }
        }
      }
      

      DoCheck

      import { Component, OnChanges } from '@angular/core';
      
      @Component({
        selector: 'my-component',
        template: `
          <p>Counter: {{ counter }}</p>
        `,
      })
      export class MyComponent implements OnChanges {
        counter: number = 0;
      
        ngDoCheck() {
          console.log('Change detection cycle executed.');
          // コンポーネント内部のロジックやデータフローを管理する
          this.counter++;
        }
      }
      

      説明

      • ngOnChangesの例では、inputValueという入力バインドされたプロパティの変更を検知し、コンソールログを出力しています。
      • DoCheckの例では、ngDoCheckフック内でコンソールログを出力し、counterプロパティをインクリメントしています。これは、コンポーネント内部のロジックやデータフローを管理するために使用される例です。

      これらのサンプルコードはあくまでも基本的な例であり、具体的な使用方法は状況によって異なります。




        AngularにおけるngOnChangesとDoCheck以外の方法

        ChangeDetectionStrategy

        • コンポーネントの変更検知戦略を変更することで、ngOnChangesDoCheckの呼び出しタイミングを制御できます。
        • 主な戦略は以下の通りです。
          • OnPush:デフォルトの戦略。入力バインドされた値が変更された場合のみ変更検知を実行します。
          • Default:すべての変更を検知します。
          • OnDemand:明示的にdetectChanges()メソッドを呼び出すまで変更検知を実行しません。

        EventEmitter

        • コンポーネント間でイベントを発行することで、プロパティ変更を通知できます。
        • 親コンポーネントは、子コンポーネントから発行されるイベントを購読し、それに応じて処理を行うことができます。

        サービス

        • サービスを使用して、コンポーネント間でデータを共有し、プロパティ変更を通知できます。

        手動チェック

        • detectChanges()メソッドを明示的に呼び出すことで、コンポーネントの変更検知を強制的に実行できます。
        • これは、特定のタイミングで変更検知を実行する必要がある場合に役立ちます。

        それぞれの方法の利点と欠点

        方法利点欠点
        ngOnChanges入力バインドされた値の変更に特化複雑なロジックには不向き
        DoCheck汎用性が高いパフォーマンスへの影響が大きい可能性がある
        ChangeDetectionStrategyパフォーマンスを最適化できる設定が複雑になる可能性がある
        EventEmitterコンポーネント間の通信に適しているコードが冗長になる可能性がある
        サービスデータ共有とプロパティ変更通知に適している依存関係が増える可能性がある
        手動チェック特定のタイミングで変更検知を実行できるコードが煩雑になる可能性がある

        適切な方法の選択

        • 入力バインドされた値の変更に特化した単純な処理を行う場合は、ngOnChangesが適しています。
        • パフォーマンスを重視する場合は、ChangeDetectionStrategyを調整するのが有効です。
        • コンポーネント間の通信が必要な場合は、EventEmitterまたはサービスを使用するのが適しています。
        • 特定のタイミングで変更検知を実行する必要がある場合は、手動チェックを使用するのが有効です。

          angular


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