Node.jsとES6のモジュールエクスポートの違い
Node.jsとES6におけるmodule.exports
とexport default
の違い
module.exports
とexport default
の役割
Node.jsとES6では、モジュールを他のモジュールから利用するために、モジュール内の要素をエクスポートする必要があります。このエクスポートの方法として、module.exports
とexport default
が使用されます。
module.exports
- 複数の要素をエクスポートする場合、オブジェクトのプロパティとしてエクスポートする必要がある。
- モジュール全体をエクスポートする。
- Node.jsの伝統的な方法。
export default
- 1つの要素のみをデフォルトでエクスポートできる。
- モジュールからデフォルトでエクスポートされる要素を指定する。
- ES6で導入された方法。
使用例
// myModule.js
module.exports = {
foo: 'bar',
baz: 42
};
// main.js
const myModule = require('./myModule');
console.log(myModule.foo); // 'bar'
console.log(myModule.baz); // 42
// myModule.js
export default function greet(name) {
return `Hello, ${name}!`;
}
// main.js
import greet from './myModule';
console.log(greet('Alice')); // 'Hello, Alice!'
いつどちらを使うべきか
export default
は、モジュールから1つの要素をデフォルトでエクスポートしたい場合や、ES6のモダンなスタイルを採用したい場合に適しています。module.exports
は、Node.jsの既存のコードとの互換性を維持したい場合や、複数の要素をエクスポートする必要がある場合に適しています。
- どちらを使うかは、プロジェクトの要件やスタイルガイドによって決まる。
export default
は、モジュールからデフォルトでエクスポートされる要素を指定する。module.exports
は、モジュール全体をエクスポートする。
注意
export default
を使用する場合、モジュールをインポートする際にデフォルトの要素の名前を指定する必要があります。- ES6のモジュールシステムは、Node.jsのバージョン8以降でサポートされています。
Node.jsとES6のモジュールエクスポートの違い:コード例による解説
// myModule.js
module.exports = {
foo: 'bar',
baz: 42,
// 関数もオブジェクトのプロパティとして定義
greet: function(name) {
return `Hello, ${name}!`;
}
};
解説
- 上記の例では、
foo
,baz
,greet
という3つのプロパティをエクスポートしています。 - このオブジェクトにプロパティとして、エクスポートしたい値や関数などを追加していきます。
// main.js
const myModule = require('./myModule');
console.log(myModule.foo); // 'bar'
console.log(myModule.baz); // 42
console.log(myModule.greet('Alice')); // 'Hello, Alice!'
- それぞれのプロパティにアクセスして、エクスポートされた値や関数を使用できます。
myModule
は、module.exports
でエクスポートされたオブジェクトそのものです。- インポートされたモジュールは、
myModule
という変数に代入されます。 require
関数を使って、myModule.js
をインポートします。
// myModule.js
export default function greet(name) {
return `Hello, ${name}!`;
}
- 上記の例では、
greet
関数をデフォルトでエクスポートしています。
// main.js
import greet from './myModule';
console.log(greet('Bob')); // 'Hello, Bob!'
greet
関数は、デフォルトでエクスポートされているため、変数名として任意の名前(ここではgreet
)を付けることができます。import
文を使って、myModule.js
からgreet
関数をインポートします。
項目 | module.exports | export default |
---|---|---|
エクスポートする内容 | モジュール全体を表すオブジェクト | 1つの値または関数 |
使用方法 | require でインポートし、オブジェクトのプロパティにアクセス | import でインポートし、変数に代入 |
複数のエクスポート | オブジェクトのプロパティとして複数エクスポート可能 | 1つのデフォルトエクスポートのみ |
- export default
- ES6のモダンな書き方
- モジュールから1つの主要な値や関数をエクスポートしたい場合
- 簡潔なコードを書きたい場合
- module.exports
- Node.jsの従来からの書き方
- 複数の値や関数をエクスポートしたい場合
- 既存のコードとの互換性を保ちたい場合
export
キーワードを使って、複数の値や関数を名前付きでエクスポートすることも可能です。export default
でエクスポートされた値は、インポートする際に任意の名前を付けることができます。export default
は、1つのモジュールから1つしかデフォルトエクスポートできません。
具体的なユースケース
- export default
- コンポーネントやユーティリティ関数など、単一の機能を提供するモジュール
- アプリケーションのエントリーポイントとなるモジュール
- module.exports
- ライブラリやフレームワークのように、複数の機能を提供するモジュール
- 複数の設定値をエクスポートするモジュール
module.exports
とexport default
は、どちらもモジュールを他のモジュールから利用するための仕組みですが、用途や書き方が異なります。どちらを使うかは、プロジェクトの規模やコードの構造、チームのコーディング規約などを考慮して決定しましょう。
より詳しく知りたい場合は、以下のキーワードで検索してみてください。
- import export
- CommonJS
- ES6 モジュール
- Node.js モジュールシステム
Node.jsとES6のモジュールエクスポートの代替方法
Node.jsとES6では、module.exports
とexport default
が一般的なモジュールのエクスポート方法ですが、これ以外にもいくつかの方法が存在します。これらの方法を理解することで、より柔軟なモジュール設計が可能になります。
名前付きエクスポート (named exports)
- 特徴
複数の値や関数を、それぞれの名前でエクスポートできます。
// myModule.js
export const PI = 3.14;
export function greet(name) {
return `Hello, ${name}!`;
}
// main.js
import { PI, greet } from './myModule';
console.log(PI); // 3.14
console.log(greet('Alice')); // 'Hello, Alice!'
- メリット
- 複数の値を個別に名前をつけてエクスポートできるため、コードが整理されやすくなります。
- インポートする際に、必要なものだけを指定できるため、バンドルサイズを削減できます。
リエクスポート (re-export)
- 特徴
他のモジュールからエクスポートされたものを、自らのモジュールから再度エクスポートできます。
// utils.js
export function add(a, b) {
return a + b;
}
// myModule.js
export { add } from './utils';
export const PI = 3.14;
- メリット
- 複数のモジュールから必要なものを集めて、一つのモジュールとして提供できます。
- モジュールの構造を整理し、再利用性を高めることができます。
exportsオブジェクトの直接操作
- 特徴
module.exports
オブジェクトを直接操作して、プロパティを追加していく方法です。
// myModule.js
exports.foo = 'bar';
exports.baz = 42;
- 注意点
export default
とは併用できません。module.exports
を別のオブジェクトで上書きしてしまうと、意図しない動作になることがあります。
export * from
- 特徴
他のモジュールからすべてのエクスポートを再エクスポートできます。
// myModule.js
export * from './utils';
- 注意点
どの方法を選ぶべきか
- すべてのエクスポートを一度に再エクスポートしたい
export * from
- 簡潔にデフォルトのエクスポートをしたい
export default
- 既存のコードとの互換性を保ちたい
module.exports
- 他のモジュールからエクスポートされたものを再利用したい
リエクスポート - 複数の値や関数を個別にエクスポートしたい
名前付きエクスポート
Node.jsとES6のモジュールエクスポートには、様々な方法があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、プロジェクトの規模やコードの構造に合わせて適切な方法を選択することが重要です。
- モジュールのエクスポートは、JavaScriptのモジュールシステムの重要な概念であり、理解を深めることでより効率的で保守性の高いコードを書くことができます。
export * from
は、ワイルドカードインポートと呼ばれ、すべてのエクスポートをインポートする際に使用されます。export default
と名前付きエクスポートは、同じモジュール内で併用できます。
- re-exports
- named exports
node.js module ecmascript-6