【徹底解説】Angular フォーム送信:submit vs ngSubmit イベントの使い分け
Angular における submit と ngSubmit イベントの違い
- HTML の submit イベント: これはネイティブな HTML イベントで、フォーム内の要素 (ボタンなど) がクリックされた時に発生します。
- Angular の ngSubmit イベント: これは Angular 独自のイベントで、
submit
イベントよりも多くの機能を提供します。
どちらのイベントを使用すべきか
一般的に、ngSubmit イベントを使用することを推奨します。理由は以下の通りです。
- フォームバリデーション:
ngSubmit
イベントは、フォーム送信前にフォームバリデーションを実行することができます。一方、submit
イベントはバリデーションを実行せずに送信します。 - デフォルトの送信動作の防止:
ngSubmit
イベントを使用すると、デフォルトの送信動作 (ページのリロードなど) を防止することができます。一方、submit
イベントはデフォルトの送信動作を実行します。 - イベントバインディング:
ngSubmit
イベントは、コンポーネントメソッドにバインドすることができます。一方、submit
イベントは直接 JavaScript コードにバインドする必要があります。
具体的な違い
項目 | submit イベント | ngSubmit イベント |
---|---|---|
バリデーション | なし | 可能 |
デフォルト動作 | あり | 防止可能 |
バインディング | JavaScript コード | コンポーネントメソッド |
その他 | ブラウザ固有の動作 | Angular 固有の機能 |
ngSubmit
イベントは、フォーム送信を処理する際に、より多くの制御と機能を提供します。そのため、一般的に submit
イベントよりも ngSubmit
イベントを使用することを推奨します。
補足
- フォーム送信ボタンには、
type="submit"
属性を設定する必要があります。 ngSubmit
イベントは、フォーム要素に直接バインドすることができます。
Angular フォーム送信サンプルコード
<form [formGroup]="userForm" (ngSubmit)="onSubmit()">
<input type="text" formControlName="firstName" placeholder="First Name">
<input type="text" formControlName="lastName" placeholder="Last Name">
<button type="submit">Submit</button>
</form>
TypeScript
import { Component, OnInit } from '@angular/core';
import { FormGroup, FormControl } from '@angular/forms';
@Component({
selector: 'app-root',
templateUrl: './app.component.html',
styleUrls: ['./app.component.css']
})
export class AppComponent implements OnInit {
userForm: FormGroup;
constructor() { }
ngOnInit(): void {
this.userForm = new FormGroup({
firstName: new FormControl('', Validators.required),
lastName: new FormControl('', Validators.required)
});
}
onSubmit() {
console.log(this.userForm.value);
}
}
説明
このコードは、以下の機能を持つシンプルな Angular フォームコンポーネントを実装します。
- 2 つの入力フィールド (名前と姓)
- 送信ボタン
- フォームバリデーション
ngSubmit
イベントを使用してフォーム送信を処理するコンポーネントメソッド
コードの詳細
HTML
テンプレート:form
要素: フォーム要素を定義します。[formGroup]="userForm"
: フォームデータと関連付けられるFormGroup
インスタンスを指定します。(ngSubmit)="onSubmit()"
:ngSubmit
イベントをコンポーネントメソッドonSubmit()
にバインドします。
input
要素: フォームフィールドを定義します。formControlName
: フォームコントロールの名前を指定します。placeholder
: 入力フィールドのプレースホルダーテキストを指定します。
button
要素: 送信ボタンを定義します。
TypeScript
コンポーネント:ngOnInit()
メソッド: フォームコントロールとバリデーションルールを初期化します。onSubmit()
メソッド: フォーム送信時に呼び出されます。- フォームデータの値をコンソールに出力します。
- テンプレート駆動フォーム: HTML テンプレートを使用してフォームを定義し、
ngSubmit
イベントを使用してフォーム送信を処理します。 - リアクティブフォーム: TypeScript を使用してフォームを定義し、Reactive Forms モジュールを使用してフォーム送信を処理します。
テンプレート駆動フォームは、シンプルなフォームに適した方法です。
利点
- HTML テンプレートだけで実装できるため、コード量が少ない
- シンプルで理解しやすい
欠点
- 複雑なフォームには不向き
- フォームロジックをテンプレートに記述する必要があるため、コードが読みづらくなる場合がある
リアクティブフォームは、複雑なフォームや、フォームロジックをコンポーネントロジックと分離したい場合に適した方法です。
- 複雑なフォームを簡単に実装できる
- フォームロジックをコンポーネントロジックと分離できるため、コードが読みやすくなる
- テストが容易
- テンプレート駆動フォームよりも習得難易度が高い
- コード量が多くなる
フォームの複雑性と、開発者のスキルレベルによって異なります。
- シンプルなフォームの場合は、テンプレート駆動フォームがおすすめです。
- 複雑なフォームや、フォームロジックをコンポーネントロジックと分離したい場合は、リアクティブフォームがおすすめです。
- Angular には、
NgForm
とFormGroup
という 2 つの主要なフォームクラスがあります。 NgForm
はテンプレート駆動フォームで使用されます。FormGroup
はリアクティブフォームで使用されます。FormBuilder
サービスを使用して、FormGroup
インスタンスを作成することができます。- Reactive Forms モジュールには、フォームバリデーション、フォームエラー処理、フォームサブミットなどの機能を提供するさまざまなツールが含まれています。
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