Reactルーティング比較: HashRouter vs BrowserRouter
ReactにおけるHashRouterとBrowserRouterの違い
HashRouterとBrowserRouterは、ReactでURLを管理するためのコンポーネントです。どちらもURLの変更に応じてコンポーネントをレンダリングする機能を提供しますが、その仕組みは異なります。
HashRouter
- 欠点
URLが少し見づらくなることがあります。 - 利点
サーバーサイドレンダリングが不要で、SEOに影響を与えません。 - 仕組み
ブラウザの履歴にハッシュ部分のみが記録され、ページの再読み込みが行われません。 - URLの構造
URLの末尾にハッシュ(#)とそれに続くパスが付加されます。例えば、/app#/users/1
のようになります。
BrowserRouter
- 欠点
サーバーサイドレンダリングが必要な場合があり、SEO対策が必要になることがあります。 - 利点
URLが自然な形式で表示されます。 - URLの構造
通常のURL形式を使用します。例えば、/app/users/1
のようになります。
使い分け
- シンプルなURL管理でSEOが問題にならない場合
HashRouterを使用することができます。 - サーバーサイドレンダリングが必要な場合
BrowserRouterを使用します。
import { HashRouter, Routes, Route } from 'react-router-dom';
function App() {
return (
<HashRouter>
<Routes>
<Route path="/" element={<Home />} />
<Route path="/about" element={<About />} />
<Route path="/contact" element={<Contact />} />
</R outes>
</HashRouter>
);
}
このコードでは、HashRouter
を使用してルーティングを管理しています。URLはハッシュ(#)を含む形式で表示されます。例えば、/app#/about
のようになります。
import { BrowserRouter, Routes, Route } from 'react-router-dom';
function App() {
return (
<BrowserRouter>
<Routes>
<Route path="/" element={<Home />} />
<Route path="/about" element={<About />} />
<Route path="/contact" element={<Contact />} />
</Routes>
</Br owserRouter>
);
}
両者の比較
- SEO
BrowserRouter
はSEO対策が必要な場合がありますが、HashRouter
はSEOに影響を与えません。 - サーバーサイドレンダリング
BrowserRouter
はサーバーサイドレンダリングが必要な場合がありますが、HashRouter
は不要です。 - 履歴管理
HashRouter
はブラウザの履歴にハッシュのみを記録し、BrowserRouter
はページ全体を記録します。 - URL構造
HashRouter
はハッシュを含んだURLを使用し、BrowserRouter
は通常のURLを使用します。
React Router v5以前の方式
- Routerコンポーネント
ルーティングの全体的な管理を行います。 - Routeコンポーネント
特定のURLパターンに一致するコンポーネントをレンダリングします。 - Linkコンポーネント
URLのリンクを作成します。
import { Link, Route, Router } from 'react-router-dom';
function App() {
return (
<Router>
<nav>
<Link to="/">Home</Link>
<Link to="/about">About</Link>
</nav>
<Routes>
<Route path="/" component={Home} />
<Route path="/about" component={About} />
</Routes>
</ Router>
);
}
Customルーティング
- URLの解析とマッチング
自前のロジックでURLを解析し、対応するコンポーネントをレンダリングします。 - History API
ブラウザの履歴を直接操作します。
import { createBrowserHistory } from 'history';
const history = createBrowserHistory();
function App() {
const [location, setLocation] = useState(history.location);
useEffect(() => {
history.listen((newLocation) => {
setLocation(newLocation);
});
}, []);
return (
<div>
{/* URLに基づいてコンポーネントをレンダリングするロジック */}
</div>
);
}
サードパーティライブラリ
- Gatsby
静的サイトジェネレーターで、ルーティング機能を備えています。 - Next.js
Reactフレームワークであり、独自のルーティングシステムを提供します。
- URL構造の好み
HashRouterはURLにハッシュを含みますが、BrowserRouterやサードパーティライブラリは通常のURLを使用します。 - SEO要件
BrowserRouterやサードパーティライブラリはSEOに優れています。 - プロジェクトの規模と複雑さ
小規模なプロジェクトでは、HashRouterまたはBrowserRouterが適しています。大規模なプロジェクトでは、サードパーティライブラリやカスタムルーティングが選択肢となります。
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