TypeScriptにおけるエラー処理の極意:try-catch-finally文を使いこなそう

2024-04-21

TypeScriptにおけるtry-catch-finally文の詳細解説

TypeScriptは、JavaScriptを静的に型付けする言語です。型付けにより、コードの信頼性と保守性を向上させることができます。try-catch-finally文は、エラー処理に役立つ重要な構文です。この解説では、TypeScriptにおけるtry-catch-finally文の詳細について説明します。

try-catch-finally文は、コード実行中に発生する可能性のあるエラーを処理するための構文です。tryブロック内には、エラーが発生する可能性のあるコードを記述します。catchブロックには、エラーが発生したときに実行されるコードを記述します。finallyブロックには、エラーが発生しても発生しなくても必ず実行されるコードを記述します。

tryブロックは、エラーが発生する可能性のあるコードを記述する場所です。tryブロック内でエラーが発生すると、その後のコードは実行されずに、catchブロックにジャンプします。

try {
  // エラーが発生する可能性のあるコード
} catch (error) {
  // エラー処理コード
}

catchブロックは、tryブロック内で発生したエラーを処理する場所です。catchブロックには、エラーオブジェクトが引数として渡されます。エラーオブジェクトには、エラーに関する情報が含まれています。

try {
  // エラーが発生する可能性のあるコード
} catch (error) {
  console.error(error.message); // エラーメッセージを出力
}

finallyブロックは、tryブロックまたはcatchブロックが実行された後に必ず実行されるコードを記述する場所です。finallyブロックは、エラーが発生しても発生しなくても実行されます。

try {
  // エラーが発生する可能性のあるコード
} catch (error) {
  console.error(error.message); // エラーメッセージを出力
} finally {
  // 必ず実行されるコード
}

try-catch-finally文の例

以下の例は、try-catch-finally文を使用して、ファイルを読み込むコードを示しています。

function readFile(fileName: string): string {
  try {
    const fileContent = fs.readFileSync(fileName, 'utf8');
    return fileContent;
  } catch (error) {
    console.error(`ファイル読み込みエラー: ${error.message}`);
    return '';
  } finally {
    console.log('ファイル読み込み処理完了');
  }
}

この例では、tryブロック内でfs.readFileSync()関数を使用してファイルを同期的に読み込んでいます。fs.readFileSync()関数は、エラーが発生する可能性があります。エラーが発生した場合、catchブロックにジャンプし、エラーメッセージを出力します。finallyブロックでは、ファイル読み込み処理が完了したことをログ出力します。

try-catch-finally文は、TypeScriptにおける重要なエラー処理構文です。try-catch-finally文を適切に使用することで、コードをより堅牢かつ保守性の高いものにすることができます。




TypeScriptにおけるtry-catch-finally文のサンプルコード

interface User {
  id: number;
  name: string;
}

async function getUser(userId: number): Promise<User | null> {
  try {
    const response = await fetch(`https://jsonplaceholder.typicode.com/users/${userId}`);
    if (!response.ok) {
      throw new Error(`APIエラー: ${response.status}`);
    }

    const userData = await response.json();
    const user: User = {
      id: userData.id,
      name: userData.name,
    };
    return user;
  } catch (error) {
    console.error(`ユーザー取得エラー: ${error.message}`);
    return null;
  } finally {
    console.log('ユーザー取得処理完了');
  }
}

このサンプルコードを以下のように実行できます。

getUser(1)
  .then((user) => {
    if (user) {
      console.log(`ユーザー情報: ${user.id} - ${user.name}`);
    } else {
      console.log('ユーザー取得に失敗しました。');
    }
  })
  .catch((error) => {
    console.error(`予期せぬエラーが発生しました: ${error.message}`);
  });

このコードを実行すると、以下の出力が得られます。

ユーザー情報: 1 - Leanne Graham

以下のサンプルコードは、try-catch-finally文をさまざまな状況で使用する方法を示しています。

  • ファイルの読み書き
  • ネットワーク接続
  • データベース操作
  • ユーザー入力の検証



TypeScriptにおけるtry-catch-finally文以外のエラー処理方法

Promiseのcatch()メソッド

Promiseは、非同期処理を扱うための便利な機能です。Promiseには、catch()メソッドというエラー処理用のメソッドがあります。catch()メソッドには、エラーオブジェクトが引数として渡されます。

function getUser(userId: number): Promise<User | null> {
  return fetch(`https://jsonplaceholder.typicode.com/users/${userId}`)
    .then((response) => {
      if (!response.ok) {
        throw new Error(`APIエラー: ${response.status}`);
      }

      return response.json();
    })
    .catch((error) => {
      console.error(`ユーザー取得エラー: ${error.message}`);
      return null;
    });
}

この例は、Promiseのcatch()メソッドを使用してエラー処理を行っています。catch()メソッドは、Promiseチェーンの最後に配置する必要があります。

async/await構文は、Promiseをより簡単に記述するための構文です。async/await構文を使用すると、try-catch-finally文を使用する必要はありません。

async function getUser(userId: number): Promise<User | null> {
  try {
    const response = await fetch(`https://jsonplaceholder.typicode.com/users/${userId}`);
    if (!response.ok) {
      throw new Error(`APIエラー: ${response.status}`);
    }

    const userData = await response.json();
    const user: User = {
      id: userData.id,
      name: userData.name,
    };
    return user;
  } catch (error) {
    console.error(`ユーザー取得エラー: ${error.message}`);
    return null;
  }
}

この例は、async/await構文を使用してエラー処理を行っています。async/await構文を使用すると、コードがより読みやすくなります。

エラーオブジェクトの型

TypeScriptでは、エラーオブジェクトの型を定義することができます。エラーオブジェクトの型を定義することで、エラー処理コードをより詳細に記述することができます。

interface APIError extends Error {
  statusCode: number;
}

async function getUser(userId: number): Promise<User | null> {
  try {
    const response = await fetch(`https://jsonplaceholder.typicode.com/users/${userId}`);
    if (!response.ok) {
      const error: APIError = new Error(`APIエラー: ${response.status}`);
      error.statusCode = response.status;
      throw error;
    }

    const userData = await response.json();
    const user: User = {
      id: userData.id,
      name: userData.name,
    };
    return user;
  } catch (error) {
    if (error instanceof APIError) {
      console.error(`APIエラー: ${error.statusCode} - ${error.message}`);
    } else {
      console.error(`予期せぬエラーが発生しました: ${error.message}`);
    }
    return null;
  }
}

この例は、APIErrorというインターフェースを定義し、エラーオブジェクトの型として使用しています。APIErrorインターフェースには、statusCodeというプロパティが定義されています。statusCodeプロパティには、APIエラーのステータスコードが格納されます。


typescript error-handling try-catch


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