Karma ランナーで TypeScript ユニットテスト実行時に発生する "TS2322" エラー:原因と解決策

2024-05-16

TypeScript ユニットテストにおける "TS2322: 型 'Timeout' は型 'number' に割り当てられない" エラーの詳細解説

Karma ランナーを用いた TypeScript ユニットテスト実行時に、"TS2322: 型 'Timeout' は型 'number' に割り当てられない" というエラーが発生することがあります。このエラーは、テスト設定におけるタイムアウト値の型指定に誤りがあることを示します。

原因

このエラーは、主に以下の2つの原因で発生します。

  1. 型定義の不一致: Karma ランナーとテスト対象ライブラリで定義されている Timeout 型が異なる場合
  2. 型推論の失敗: テスト設定内で Timeout 型を明示的に指定していない場合

解決策

以下の方法で解決できます。

型定義の不一致の場合

  • Karma ランナーとテスト対象ライブラリのバージョンを統一する
  • 型定義ファイルを修正する

型推論の失敗の場合

具体的な解決方法

以下のコード例を参考に、ご自身のテスト環境に合わせて解決方法を適用してください。

例1: 型定義の不一致

// Karma ランナー v4.1 で `Timeout` 型が `number` として定義されている場合
import { Config } from 'karma';

const config: Config = {
  // ...
  browserTimeout: 10000 // エラーが発生
};
  • Karma ランナー v5 以降にアップデートする
  • または、browserTimeout プロパティに number 型を明示的に指定する
browserTimeout: 10000 as number;

例2: 型推論の失敗

// 型推論が失敗している場合
import { Config } from 'karma';

const config: Config = {
  // ...
  browserTimeout: 10000
};
browserTimeout: 10000 as number;

補足

  • Karma ランナーとテスト対象ライブラリの最新バージョン情報および型定義を確認することをおすすめします。
  • 型推論に頼らず、明示的に型指定することで、コードの可読性と保守性を向上させることができます。

上記以外にも、テストランナーの設定やテスト対象ライブラリの種類によって、異なる解決策が必要となる場合があります。問題解決に困難な場合は、具体的なコードやエラーメッセージを共有していただくことで、より詳細なアドバイスを提供できる可能性があります。




Karma ランナーにおける TypeScript ユニットテストの実行例

テスト対象コード (add.ts)

function add(a: number, b: number): number {
  return a + b;
}
import { add } from './add';
import { describe, it, expect } from 'jasmine';

describe('add function', () => {
  it('should return the sum of two numbers', () => {
    expect(add(1, 2)).toBe(3);
    expect(add(-1, 3)).toBe(2);
    expect(add(0, 0)).toBe(0);
  });
});

Karma 設定ファイル (karma.conf.js)

module.exports = function(config) {
  config.set({
    // ...
    frameworks: ['jasmine'],
    files: [
      'node_modules/jasmine/dist/jasmine-framework.js',
      'spec/*.ts'
    ],
    preprocessors: {
      'spec/*.ts': ['typescript']
    },
    typescript: {
      reportErrors: true
    },
    browsers: ['Chrome'],
    singleRun: true
  });
};

テスト実行コマンド

karma start

実行結果

Chrome 87.0.4280.141 (Linux 10.0) STARTED
  add function
    ✓ should return the sum of two numbers (add.spec.ts)
  Finished in 0.1s

1 test, 0 failures

解説

  • 上記の例では、Karma ランナーの設定ファイル karma.conf.js において、テスト対象の TypeScript ファイル (spec/*.ts) を typescript プリプロセッサで処理するように設定しています。これにより、TypeScript コードが実行前に JavaScript コードに変換されます。
  • テストコード (add.spec.ts) では、Jasmine の describeit 関数を使用してテストケースを定義しています。
  • 各テストケースの中で、expect 関数を使用してテスト対象関数の動作を検証しています。
  • この例はあくまでも基本的なものであり、実際にはテスト対象のコードやテスト要件に合わせて、設定やコードを調整する必要があります。
  • Karma ランナーと Jasmine に関する詳細情報は、それぞれの公式ドキュメントを参照してください。



Karma ランナーにおける "TS2322" エラーの解決策:代替手段

型エイリアスを使用する

テスト設定内で、Timeout 型のエイリアスを定義することで、型エラーを回避できます。

// 型エイリアスを定義
type TestTimeout = number;

// テスト設定でエイリアスを使用
import { Config } from 'karma';

const config: Config = {
  // ...
  browserTimeout: 10000 as TestTimeout // 型エラーを回避
};

as 演算子を使用する

import { Config } from 'karma';

const config: Config = {
  // ...
  browserTimeout: 10000 as number // `as` 演算子を使用
};

型注釈付きの関数を使用する

import { Config } from 'karma';

const config: Config = {
  // ...
  browserTimeout: setTimeout(() => {
    // テストの実行処理
  }, 10000) as number // 型注釈付きの関数を使用
};

テストランナーの設定ファイルを変更する

Karma ランナーの設定ファイル (karma.conf.js) において、browserTimeout プロパティの型を明示的に指定することで、型エラーを回避できます。

module.exports = function(config) {
  config.set({
    // ...
    browserTimeout: 10000 as number // 型を明示的に指定
  });
};

注意事項

  • 上記の代替手段は、あくまで一時的な回避策であり、根本的な原因を解決するものではありません。
  • 型エラーが発生している場合は、型定義ファイルやテスト設定に誤りがないかを確認することを推奨します。

typescript unit-testing karma-runner


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