Karma ランナーで TypeScript ユニットテスト実行時に発生する "TS2322" エラー:原因と解決策
TypeScript ユニットテストにおける "TS2322: 型 'Timeout' は型 'number' に割り当てられない" エラーの詳細解説
Karma ランナーを用いた TypeScript ユニットテスト実行時に、"TS2322: 型 'Timeout' は型 'number' に割り当てられない" というエラーが発生することがあります。このエラーは、テスト設定におけるタイムアウト値の型指定に誤りがあることを示します。
原因
このエラーは、主に以下の2つの原因で発生します。
- 型定義の不一致: Karma ランナーとテスト対象ライブラリで定義されている
Timeout
型が異なる場合 - 型推論の失敗: テスト設定内で
Timeout
型を明示的に指定していない場合
解決策
以下の方法で解決できます。
型定義の不一致の場合
- 型定義ファイルを修正する
- Karma ランナーとテスト対象ライブラリのバージョンを統一する
型推論の失敗の場合
- テスト設定内で
Timeout
型を明示的に指定する
具体的な解決方法
例1: 型定義の不一致
// Karma ランナー v4.1 で `Timeout` 型が `number` として定義されている場合
import { Config } from 'karma';
const config: Config = {
// ...
browserTimeout: 10000 // エラーが発生
};
- または、
browserTimeout
プロパティにnumber
型を明示的に指定する - Karma ランナー v5 以降にアップデートする
browserTimeout: 10000 as number;
例2: 型推論の失敗
// 型推論が失敗している場合
import { Config } from 'karma';
const config: Config = {
// ...
browserTimeout: 10000
};
browserTimeout: 10000 as number;
- 型推論に頼らず、明示的に型指定することで、コードの可読性と保守性を向上させることができます。
- Karma ランナーとテスト対象ライブラリの最新バージョン情報および型定義を確認することをおすすめします。
Karma ランナーにおける TypeScript ユニットテストの実行例
テスト対象コード (add.ts)
function add(a: number, b: number): number {
return a + b;
}
テストコード (add.spec.ts)
import { add } from './add';
import { describe, it, expect } from 'jasmine';
describe('add function', () => {
it('should return the sum of two numbers', () => {
expect(add(1, 2)).toBe(3);
expect(add(-1, 3)).toBe(2);
expect(add(0, 0)).toBe(0);
});
});
Karma 設定ファイル (karma.conf.js)
module.exports = function(config) {
config.set({
// ...
frameworks: ['jasmine'],
files: [
'node_modules/jasmine/dist/jasmine-framework.js',
'spec/*.ts'
],
preprocessors: {
'spec/*.ts': ['typescript']
},
typescript: {
reportErrors: true
},
browsers: ['Chrome'],
singleRun: true
});
};
テスト実行コマンド
karma start
実行結果
Chrome 87.0.4280.141 (Linux 10.0) STARTED
add function
✓ should return the sum of two numbers (add.spec.ts)
Finished in 0.1s
1 test, 0 failures
解説
- 各テストケースの中で、
expect
関数を使用してテスト対象関数の動作を検証しています。 - テストコード (
add.spec.ts
) では、Jasmine のdescribe
とit
関数を使用してテストケースを定義しています。 - 上記の例では、Karma ランナーの設定ファイル
karma.conf.js
において、テスト対象の TypeScript ファイル (spec/*.ts
) をtypescript
プリプロセッサで処理するように設定しています。これにより、TypeScript コードが実行前に JavaScript コードに変換されます。
- この例はあくまでも基本的なものであり、実際にはテスト対象のコードやテスト要件に合わせて、設定やコードを調整する必要があります。
Karma ランナーにおける "TS2322" エラーの解決策:代替手段
型エイリアスを使用する
テスト設定内で、Timeout
型のエイリアスを定義することで、型エラーを回避できます。
// 型エイリアスを定義
type TestTimeout = number;
// テスト設定でエイリアスを使用
import { Config } from 'karma';
const config: Config = {
// ...
browserTimeout: 10000 as TestTimeout // 型エラーを回避
};
as 演算子を使用する
テスト設定内で、as
演算子を使用して Timeout
型を明示的に指定することで、型エラーを回避できます。
import { Config } from 'karma';
const config: Config = {
// ...
browserTimeout: 10000 as number // `as` 演算子を使用
};
型注釈付きの関数を使用する
import { Config } from 'karma';
const config: Config = {
// ...
browserTimeout: setTimeout(() => {
// テストの実行処理
}, 10000) as number // 型注釈付きの関数を使用
};
テストランナーの設定ファイルを変更する
Karma ランナーの設定ファイル (karma.conf.js
) において、browserTimeout
プロパティの型を明示的に指定することで、型エラーを回避できます。
module.exports = function(config) {
config.set({
// ...
browserTimeout: 10000 as number // 型を明示的に指定
});
};
注意事項
- 型エラーが発生している場合は、型定義ファイルやテスト設定に誤りがないかを確認することを推奨します。
- 上記の代替手段は、あくまで一時的な回避策であり、根本的な原因を解決するものではありません。
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