Angular ngOnInit async/await 解説

2024-10-28

Angularは、シングルページアプリケーション(SPA)を構築するための強力なフレームワークです。TypeScriptは、JavaScriptのスーパーセットで、静的型付けとオブジェクト指向プログラミングの機能を提供します。

**ngOnInit()**は、Angularコンポーネントのライフサイクルフックの一つで、コンポーネントが初期化された後に呼び出されます。このメソッドは、コンポーネントの初期化に必要な処理、例えばデータのフェッチやDOM操作を行うのに最適な場所です。

非同期処理とは、時間がかかる処理をバックグラウンドで実行し、その結果を後で処理するプログラミング手法です。JavaScriptでは、非同期処理を扱うためにPromiseやObservableなどの仕組みが提供されています。

async/awaitは、非同期処理を同期的に記述できる構文糖衣です。これにより、非同期処理をより直感的かつ読みやすく書くことができます。

  1. ngOnInit()をasync関数にする

    async ngOnInit() {
        // ...
    }
    

    これにより、ngOnInit()内でawaitキーワードを使用できるようになります。

  2. 非同期処理をawaitキーワードで待つ

    async ngOnInit() {
        const data = await this.fetchData();
        this.items = data;
    }
    
    async fetchData() {
        const response = await fetch('https://api.example.com/data');
        const data = await response.json();
        return data;
    }
    

    awaitキーワードは、非同期処理が完了するまで待機し、その結果を返します。

注意

  • 非同期処理の結果をテンプレートに表示するには、パイプやObservableのサブスクライブを使用する必要があります。
  • ngOnInit()自体は非同期関数にはなりませんが、その中でasync/awaitを使用することで、非同期処理を同期的に記述できます。

メリット

  • コードの同期的な流れを保つことができる。
  • エラーハンドリングが容易になる。
  • 非同期処理をより直感的かつ読みやすく書くことができる。
  • 非同期処理の性質を理解していないと、誤った使い方をしてしまう可能性がある。
  • 過度に使用すると、コードが複雑になる可能性がある。



import { Component, OnInit } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-my-component',
  templateUrl: './my-component.html',
  styleUrls: ['./my-compon   ent.css']
})
export class MyComponent implements O   nInit {
  items: any[] = [];

  async ngOnInit() {
    const data = await this.fetchData();
    this.items = data;
  }

  async fetchData() {
    const response = await fetch('https://api.example.com/data');
    const data = await response.json();
    return data;
  }
}

解説

  1. ngOnInit()をasync関数にする
    asyncキーワードをつけることで、ngOnInit()を非同期関数にします。
  2. 非同期処理をawaitキーワードで待つ
    awaitキーワードを使うことで、fetchData()関数の結果が返ってくるまで待ちます。
  3. フェッチしたデータをコンポーネントの変数に格納
    fetchData()関数はAPIからデータを取得し、そのデータをitems変数に格納します。

例2: Observableを使った非同期処理

``typescript import { Component, OnInit } from '@angular/core'; import { Observable, of } from 'rxjs'; import { map, delay } from 'rxjs/operators';

@Component({ selector: 'app-my-component', templateUrl: './my-component.html', styleUrls: ['./my-component.css'] }) export class MyComponent implements OnInit { items: any[] = [];  

async ngOnInit() { const data$ = of(1, 2, 3).pipe( map(x => x * 2), delay(1000) );

const data = await lastValueFrom(data$);
this.items = data;

} }


**解説:**

1. **Observableの作成:** `of()`を使ってObservableを作成し、`map()`と`delay()`を使ってデータを加工し、遅延させます。
2. **ObservableをPromiseに変換:** `lastValueFrom()`を使ってObservableをPromiseに変換し、`await`キーワードでその結果を待ちます。
3. **結果をコンポーネントの変数に格納:** Promiseが解決すると、その結果が`data`変数に格納され、`items`変数に代入されます。

**AngularのngOnInit()でのasync/awaitの注意点:**

- `ngOnInit()`自体は非同期関数にはなりませんが、その中でasync/awaitを使うことで、非同期処理を同期的に記述できます。
- 非同期処理の結果をテンプレートに表示するには、パイプやObservableのサブスクライブを使用する必要があります。
- `ngOnInit()`内で複雑な非同期処理を行う場合、コンポーネントの初期化時間が長くなる可能性があります。
- 過度の使用はコードの読みづらさや複雑さにつながる可能性があります。

これらを理解し、適切に使うことで、Angularの初期化処理をより効率的に、読みやすく記述することができます。



Observableによる非同期処理

Observableは、時間の経過とともに値をエミットするデータストリームです。Angularでは、Observableを効果的に利用して非同期処理を管理できます。

import { Component, OnInit } from '@angular/core';
import { Observable, of } from 'rxjs';
import { map, delay } from 'rxjs/operators';

@Component({
  selector: 'app-my-component',
  templateUrl: './my-component.html',
  styleUrls: ['./my-component.css']
})
export class MyComponent implements O   nInit {
  items$: Observable<any[]>;

  ngOnInit() {
    this.items$ = of(1, 2, 3).pipe(
      map(x => x * 2),
      delay(1000)
    );
  }
}
  • テンプレートでasyncパイプを使ってObservableを購読し、最新の値を表示します。
  • ngOnInit()内でObservableを作成し、items$プロパティに代入します。

Promiseによる非同期処理

Promiseは、非同期操作の結果を表すオブジェクトです。

import { Component, OnInit } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-my-component',
  templateUrl: './my-component.html',
  styleUrls: ['./my-compon   ent.css']
})
export class MyComponent implements O   nInit {
  items: any[] = [];

  ngOnInit() {
    this.fetchData().then(data => {
      this.items = data;
    });
  }

  fetchData(): Promise<any[]> {
    return fetch('https://api.example.com/data')
      .then(response => response.json());
  }
}
  • ngOnInit()内でfetchData()メソッドを呼び出し、そのPromiseが解決した後に結果をitemsプロパティに代入します。

どちらの方法を選ぶべきか?

  • Promiseは、単一の非同期操作の結果を待つ場合に適しています。
  • Observableは、継続的なデータストリームを扱う場合や、複数の非同期操作を組み合わせる場合に適しています。

angular typescript asynchronous



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