Jest でタイムゾーン設定方法
React.js と Jest.js のテスト環境において、特定のタイムゾーンを設定する方法はいくつかあります。ここでは、主に 2 つの一般的な方法を紹介します。
方法 1: package.json
の scripts
セクションで設定
-
cross-env パッケージのインストール
npm install --save-dev cross-env
-
"scripts": { "test": "cross-env TZ=Asia/Tokyo jest" }
TZ=Asia/Tokyo
の部分を、必要なタイムゾーンに置き換えてください。- この方法により、テスト実行時に指定したタイムゾーンが設定されます。
方法 2: Jest のグローバルセットアップスクリプトを使用
-
スクリプトファイルの内容
module.exports = async () => { process.env.TZ = 'Asia/Tokyo'; // 必要なタイムゾーンを設定 };
-
Jest の設定ファイル (jest.config.js) の編集
module.exports = { // ... other Jest configuration globalSetup: './global-setup.js' };
注意
- テストケースによっては、特定のタイムゾーンでの挙動をテストする必要があるため、これらの方法を活用することで、より正確なテストが可能になります。
- グローバルセットアップスクリプトを使用する方法は、より柔軟な設定が可能ですが、ファイルの管理が必要となります。
- タイムゾーンの指定には、IANA Time Zone Database で定義されたタイムゾーン名を使用します。
Jestでタイムゾーンを設定するコード例の詳細解説
"scripts": {
"test": "cross-env TZ=Asia/Tokyo jest"
}
- jest
Jest テストを実行するコマンドです。 - TZ=Asia/Tokyo
TZ
環境変数にタイムゾーンを設定します。ここでは、日本時間のAsia/Tokyo
を例としています。 - cross-env
このコマンドは、プロセス全体の環境変数を設定するために使用されます。
動作
npm test
コマンドを実行すると、cross-env
がTZ
環境変数を設定します。- Jest がこの設定された環境変数を受け取り、テスト実行時に指定されたタイムゾーンを使用します。
メリット
package.json
に記述するため、チームメンバー全員が同じ設定でテストを実行できます。- シンプルで設定が容易。
global-setup.js
module.exports = async () => {
process.env.TZ = 'Asia/Tokyo';
};
jest.config.js
module.exports = {
// ... other Jest configuration
globalSetup: './global-setup.js'
};
- Jest がテスト実行前に
global-setup.js
を実行します。 - スクリプト内で
process.env.TZ
にタイムゾーンが設定されます。
- テストケースごとに異なるタイムゾーンを設定したい場合に便利です。
- より柔軟な設定が可能。
どちらの方法を選ぶべきか?
- チームでの統一
package.json
の方法でチーム全体で統一した設定を行うと良いでしょう。 - 柔軟な設定
グローバルセットアップスクリプトを使用する方法がおすすめです。 - シンプルな設定
package.json
の方法がおすすめです。
- 注意点
- Windows 環境では、
TZ
環境変数が直接サポートされていない場合があります。 - Node.js のバージョンによっては、
TZ
環境変数の設定方法が異なる場合があります。
- Windows 環境では、
- テストケース
特定のタイムゾーンでの挙動をテストする場合は、テストケースに合わせてタイムゾーンを設定する必要があります。
例: 日付のテスト
test('日付のフォーマット', () => {
const date = new Date('2023-11-22T10:00:00Z');
expect(date.toLocaleString()).toBe('2023/11/22 19:00:00'); // 日本時間
});
このテストケースでは、UTC時間を日本時間に変換してテストしています。タイムゾーンの設定が正しく行われていれば、このテストは成功します。
Jestでタイムゾーンを設定する方法は、package.json
の scripts
セクションで設定する方法と、グローバルセットアップスクリプトを使用する方法の2つがあります。どちらの方法を選ぶかは、プロジェクトの規模や複雑さ、チームでの設定の統一性などを考慮して決定しましょう。
- 上記のコード例は、Jestの基本的な設定方法を示しています。実際のプロジェクトでは、より複雑な設定が必要になる場合があります。
jest-date-mock を利用したモック
- デメリット
- 設定がやや複雑になる可能性がある。
- メリット
- テストケースごとに細かく日付とタイムゾーンを制御可能。
- Date オブジェクトに依存したコードのテストに適している。
- 特徴
Date オブジェクトをモックし、テスト内で任意の日付とタイムゾーンを設定できます。
コード例
const jestDateMock = require('jest-date-mock');
beforeEach(() => {
jestDateMock.advanceTo(new Date('2023-11-22T10:00:00Z'), { locale: 'ja-JP', timeZone: 'Asia/Tokyo' });
});
afterEach(() => {
jestDateMock.clear();
});
test('日付のフォーマット', () => {
const date = new Date();
expect(date.toLocaleString()).toBe('2023/11/22 19:00:00'); // 日本時間
});
jest.useFakeTimers を利用した疑似時計
- デメリット
- メリット
- 特徴
Jest が提供する機能で、時間を固定したり、時間を進めたりすることができます。
test('タイマーの動作', () => {
jest.useFakeTimers();
const callback = jest.fn();
setTimeout(callback, 1000);
jest.advanceTimersByTime(1000);
expect(callback).toHaveBeenCalledTimes(1);
});
環境変数 NODE_ENV を利用
- デメリット
- メリット
- 特徴
NODE_ENV
をtest
に設定することで、テスト環境特有の挙動を設定できます。
// .env ファイル
NODE_ENV=test
TZ=Asia/Tokyo
// コード内で環境変数を参照
if (process.env.NODE_ENV === 'test') {
// テスト環境での処理
}
カスタムモック
- メリット
- 最も柔軟な方法
- 特徴
Date オブジェクトを完全に独自のモックで置き換えることができます。
jest.mock('date-fns', () => ({
format: jest.fn((date, format) => {
// 独自のフォーマット処理
}),
}));
- チームの慣習
チーム内で共通のモックライブラリや設定方法が採用されている場合は、それに従うことが望ましいです。 - コードの複雑さ
既存のコードとの整合性や、テストコードの複雑さを考慮する必要があります。 - テストケース
テストケースの内容や、どの程度細かく時間を制御したいかによって最適な方法が異なります。
Jestでタイムゾーンを設定する方法には、様々な選択肢があります。それぞれの方法にメリットとデメリットがあるため、テストケースに合わせて最適な方法を選択することが重要です。
- 複数の方法を組み合わせることで、より複雑なテストシナリオに対応することも可能です。
- タイムゾーンの設定は、テストの信頼性を高めるために非常に重要な要素です。
- 上記以外にも、ライブラリやフレームワークによっては、独自のタイムゾーン設定方法を提供している場合があります。
reactjs jestjs