useRefの.currentがnullになる理由
React Hooks: useRef Hookの.current
がnullになる理由の日本語解説
React HooksのuseRef
フックは、コンポーネントのレンダリング間で値を保持するために使用されます。しかし、.current
プロパティがnullになる場合があります。この現象について詳しく説明します。
.current
がnullになる理由
-
初期化タイミング
useRef
フックは、コンポーネントの最初のレンダリング時に初期化されます。- 初期レンダリング時には、
.current
プロパティは初期値(通常はnull)に設定されます。
-
レンダリングサイクル
- コンポーネントが再レンダリングされるたびに、
useRef
フックは再利用されます。 - しかし、
.current
プロパティは、前回のレンダリングから変更されない限り、同じ値を保持します。
- コンポーネントが再レンダリングされるたびに、
.current
を適切に使用するポイント
-
初期値の設定
useRef
フックの初期値に、.current
プロパティに設定したい値を指定します。- これで、最初のレンダリング時から
.current
プロパティが適切な値を持つようになります。
-
更新タイミング
.current
プロパティを更新したい場合は、その値を直接変更します。- これは、コンポーネントの再レンダリングとは関係なく行うことができます。
コード例
import { useRef, useEffect } from 'react';
function MyComponent() {
const myRef = useRef(null);
useEffect(() => {
// 初期レンダリング後に、DOM要素を取得して`.current`に設定
myRef.current = document.getElementById('myElement');
}, []);
return (
<div ref={myRef}>
{/* ここにレンダリングする内容 */}
</div>
);
}
この例では、myRef
にDOM要素への参照を保存しています。useEffect
フックを使用して、最初のレンダリング後にDOM要素を取得し、.current
プロパティに設定しています。これにより、.current
はnullではなく、DOM要素への参照となります。
初期値がnullの場合
import { useRef } from 'react';
function MyComponent() {
const myRef = useRef(); // 初期値はnull
return (
<div ref={myRef}>
{/* ここにレンダリングする内容 */}
</div>
);
}
- 初めてレンダリングされる際に、
.current
プロパティはnullになります。 - この例では、
myRef
の初期値がnullに設定されています。
初期値を設定した場合
import { useRef } from 'react';
function MyComponent() {
const myRef = useRef(0); // 初期値は0
return (
<div ref={myRef}>
{/* ここにレンダリングする内容 */}
</div>
);
}
DOM要素への参照を保存する場合
import { useRef, useEffect } from 'react';
function MyComponent() {
const myRef = useRef(null);
useEffect(() => {
// 初期レンダリング後に、DOM要素を取得して`.current`に設定
myRef.current = document.getElementById('myElement');
}, []);
return (
<div ref={myRef}>
{/* ここにレンダリングする内容 */}
</div>
);
}
- これにより、
.current
はnullではなく、DOM要素への参照となります。 useEffect
フックを使用して、最初のレンダリング後にDOM要素を取得し、.current
プロパティに設定しています。- この例では、
myRef
にDOM要素への参照を保存しています。
useStateフックの使用
useState
フックは、コンポーネントの状態を管理するために使用されます。状態の値は、コンポーネントの再レンダリング時に更新されます。
import { useState, useRef } from 'react';
function MyComponent() {
const [value, setValue] = useState(null);
const myRef = useRef();
useEffect(() => {
// 初期レンダリング後に、値を更新
setValue(document.getElementById('myElement'));
}, []);
return (
<div ref={myRef}>
{/* ここにレンダリングする内容 */}
</div>
);
}
- この例では、
useState
フックを使用して、DOM要素への参照を保存しています。
コンポーネントのライフサイクルメソッドの使用
コンポーネントのライフサイクルメソッドであるcomponentDidMount
やcomponentDidUpdate
を使用して、DOM要素への参照を取得し、.current
プロパティに設定することができます。
import { useRef } from 'react';
class MyComponent extends React.Component {
constructor(props) {
super(props);
this.myRef = useRef(null);
}
componentDidMount() {
this.myRef.current = document.getElementById('myElement');
}
render() {
return (
<div ref={this.myRef}>
{/* ここにレンダリングする内容 */}
</div>
);
}
}
- この例では、クラス型コンポーネントを使用し、
componentDidMount
メソッドでDOM要素への参照を取得しています。
カスタムフックの作成
useRef
フックの機能を拡張したカスタムフックを作成することもできます。
import { useRef, useEffect } from 'react';
function useDOMRef(initialRef) {
const ref = useRef(initialRef);
useEffect(() => {
if (ref.current) {
// 既に参照が設定されている場合は何もしない
return;
}
// 初期レンダリング後に、DOM要素を取得して`.current`に設定
ref.current = document.getElementById('myElement');
}, []);
return ref;
}
function MyComponent() {
const myRef = useDOMRef(null);
return (
<div ref={myRef}>
{/* ここにレンダリングする内容 */}
</div>
);
}
- この例では、
useDOMRef
というカスタムフックを作成し、DOM要素への参照を取得する処理をカプセル化しています。
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