React カスタムフック:機能拡張とサードパーティライブラリ活用術

2024-07-27

React カスタムフックと通常の関数の違い

カスタムフックとは?

カスタムフックは、React の状態とライフサイクルを利用して、コンポーネント間で共有できるロジックを作成する関数です。 use プレフィックスで始まり、他のフックを呼び出すことができます。

通常の関数とは?

通常の関数は、React に特化したものではなく、JavaScript の標準的な関数です。状態やライフサイクルにアクセスすることはできず、コンポーネント間で共有することは想定されていません。

いつどちらを使用すべきか?

以下の表は、カスタムフックと通常の関数の使い分けの指針です。

状況カスタムフックを使用する通常の関数を使用する
状態やライフサイクルにアクセスが必要×
ロジックを複数のコンポーネントで共有したい×
React の特殊な機能を利用する必要がある×
単純なロジックで、コンポーネント間で共有する必要がない×
  • テストのしやすさ
    カスタムフックは単体テストしやすいように設計されています。これは、コードの品質と信頼性を向上させるのに役立ちます。
  • コードの分割
    カスタムフックを使用すると、複雑なロジックを小さな再利用可能な部分に分割できます。これにより、コードが読みやすくなり、理解しやすくなります。
  • コードの再利用性
    カスタムフックを使用すると、共通のロジックを別のコンポーネントで簡単に再利用できます。これにより、コードが簡潔になり、保守が容易になります。

以下の例は、カウンタをのカスタムフックです。

function useCounter(initialValue) {
  const [count, setCount] = useState(initialValue);

  return {
    count,
    increment: () => setCount(count + 1),
    decrement: () => setCount(count - 1),
  };
}

このフックは、count と 2 つのメソッド (incrementdecrement) を返します。このフックをコンポーネントで使用するには、次のようにします。

const MyComponent = () => {
  const { count, increment, decrement } = useCounter(0);

  return (
    <div>
      <p>カウント: {count}</p>
      <button onClick={increment}>増やす</button>
      <button onClick={decrement}>減らす</button>
    </div>
  );
};

このコンポーネントは、useCounter フックから返された countincrementdecrement を使用してカウンタを表示し、操作します。




カスタムフックを使用した実装

function useCounter(initialValue) {
  const [count, setCount] = useState(initialValue);

  return {
    count,
    increment: () => setCount(count + 1),
    decrement: () => setCount(count - 1),
  };
}

const MyComponent = () => {
  const { count, increment, decrement } = useCounter(0);

  return (
    <div>
      <p>カウント: {count}</p>
      <button onClick={increment}>増やす</button>
      <button onClick={decrement}>減らす</button>
    </div>
  );
};

解説

  1. useCounter カスタムフックは、useState フックを使用して count ステートと、それを操作するための incrementdecrement メソッドを定義します。

通常の関数を使用した実装

function Counter(props) {
  const [count, setCount] = useState(props.initialValue);

  return (
    <div>
      <p>カウント: {count}</p>
      <button onClick={() => setCount(count + 1)}>増やす</button>
      <button onClick={() => setCount(count - 1)}>減らす</button>
    </div>
  );
}

const MyComponent = () => {
  return <Counter initialValue={0} />;
};
  1. Counter 関数は、initialValue プロップを受け取り、useState フックを使用して count ステートを定義します。
  2. Counter 関数は、カウンタの表示と操作のためのボタンを含む JSX を返します。
  3. MyComponent コンポーネントは、Counter 関数を initialValue プロップ 0 で呼び出して、カウンタコンポーネントをレンダリングします。

比較

項目カスタムフック通常の関数
状態管理useState フックを使用useState フックを使用
ロジックの再利用性他のコンポーネントで再利用可能再利用するには、コンポーネントとしてラップする必要がある
コードの分割ロジックを小さな部分に分割できるロジックをコンポーネントにカプセル化する必要がある
テストのしやすさ単体テストしやすいコンポーネントとしてテストする必要がある
  • 通常の関数は、シンプルなロジックや、コンポーネントとしてラップして再利用する予定がないロジックに適しています。
  • カスタムフックは、状態やライフサイクルにアクセスする必要があるロジック、または複数のコンポーネントで共有するロジックに適しています。



このパターンは、複雑なロジックを持つカスタムフックを作成する場合に役立ちます。useReducer フックを使用して、状態の更新を処理する reducer 関数を定義できます。

function useCounter(initialValue) {
  const [state, dispatch] = useReducer(counterReducer, { count: initialValue });

  return {
    count: state.count,
    increment: () => dispatch({ type: 'INCREMENT' }),
    decrement: () => dispatch({ type: 'DECREMENT' }),
  };
}

const counterReducer = (state, action) => {
  switch (action.type) {
    case 'INCREMENT':
      return { count: state.count + 1 };
    case 'DECREMENT':
      return { count: state.count - 1 };
    default:
      return state;
  }
};

Context API を使用したカスタムフック

このパターンは、グローバルな状態を管理する必要があるカスタムフックを作成する場合に役立ちます。useContext フックを使用して、Context プロバイダから値を取得できます。

const CounterContext = createContext({ count: 0, increment: () => {}, decrement: () => {} });

function CounterProvider({ children }) {
  const [count, setCount] = useState(0);

  const increment = () => setCount(count + 1);
  const decrement = () => setCount(count - 1);

  const value = { count, increment, decrement };

  return (
    <CounterContext.Provider value={value}>
      {children}
    </CounterContext.Provider>
  );
}

function useCounter() {
  const context = useContext(CounterContext);
  return context;
}

const MyComponent = () => {
  const { count, increment, decrement } = useCounter();

  return (
    <div>
      <p>カウント: {count}</p>
      <button onClick={increment}>増やす</button>
      <button onClick={decrement}>減らす</button>
    </div>
  );
};

カスタムフックの合成

このパターンは、複数のカスタムフックを組み合わせることで、より複雑な機能を持つカスタムフックを作成する場合に役立ちます。

function useColor() {
  const [color, setColor] = useState('red');

  return {
    color,
    setColor,
  };
}

function useFontSize() {
  const [fontSize, setFontSize] = useState(16);

  return {
    fontSize,
    setFontSize,
  };
}

function useTitle() {
  const { color } = useColor();
  const { fontSize } = useFontSize();

  return `タイトル (${color}, ${fontSize}px)`;
}

サードパーティライブラリの使用

React カスタムフックを開発するためのサードパーティライブラリがいくつかあります。これらのライブラリは、追加機能やユーティリティを提供することで、カスタムフックの開発を容易にすることができます。

これらの方法は、それぞれ異なる利点と欠点があります。状況に合わせて適切な方法を選択することが重要です。


reactjs react-hooks



JavaScript, React.js, JSX: 複数の入力要素を1つのonChangeハンドラーで識別する

問題 React. jsで複数の入力要素(例えば、複数のテキストフィールドやチェックボックス)があり、それぞれに対して同じonChangeハンドラーを適用したい場合、どのように入力要素を区別して適切な処理を行うことができるでしょうか?解決方法...


Reactの仮想DOMでパフォーマンスを劇的に向上させる!仕組みとメリットを完全網羅

従来のDOM操作と汚れたモデルチェック従来のWeb開発では、DOMを直接操作することでユーザーインターフェースを構築していました。しかし、DOM操作はコストが高く、パフォーマンスの低下を招きます。そこで、汚れたモデルチェックという手法が登場しました。これは、DOMの状態をモデルとして保持し、変更があった箇所のみを更新することで、パフォーマンスを向上させるものです。...


React コンポーネント間通信方法

React では、コンポーネント間でのデータのやり取りや状態の管理が重要な役割を果たします。以下に、いくつかの一般的な方法を紹介します。子コンポーネントは、受け取った props を使用して自身の状態や表示を更新します。親コンポーネントで子コンポーネントを呼び出す際に、props としてデータを渡します。...


React JSX プロパティ動的アクセス

React JSX では、クォート内の文字列に動的にプロパティ値を埋め込むことはできません。しかし、いくつかの方法でこれを回避できます。カッコ内でのJavaScript式クォート内の属性値全体を JavaScript 式で囲むことで、プロパティにアクセスできます。...


React JSXで<select>選択設定

React JSXでは、<select>要素内のオプションをデフォルトで選択するために、selected属性を使用します。この例では、"Coconut" オプションがデフォルトで選択されています。selected属性をそのオプションに直接指定しています。...



SQL SQL SQL SQL Amazon で見る



JavaScriptとReactJSにおけるthis.setStateの非同期処理と状態更新の挙動

解決策:オブジェクト形式で状態を更新する: 状態を更新する場合は、オブジェクト形式で更新するようにする必要があります。プロパティ形式で更新すると、既存のプロパティが上書きされてしまう可能性があります。非同期処理を理解する: this. setStateは非同期処理であるため、状態更新が即座に反映されないことを理解する必要があります。状態更新後に何か処理を行う場合は、コールバック関数を使用して、状態更新が完了してから処理を行うようにする必要があります。


Reactでブラウザリサイズ時にビューを再レンダリングする

JavaScriptやReactを用いたプログラミングにおいて、ブラウザのサイズが変更されたときにビューを再レンダリングする方法について説明します。ReactのuseEffectフックは、コンポーネントのレンダリング後に副作用を実行するのに最適です。ブラウザのサイズ変更を検知し、再レンダリングをトリガーするために、以下のように使用します。


Reactでカスタム属性にアクセスする

Reactでは、イベントハンドラーに渡されるイベントオブジェクトを使用して、イベントのターゲット要素に関連付けられたカスタム属性にアクセスすることができます。カスタム属性を設定ターゲット要素にカスタム属性を追加します。例えば、data-プレフィックスを使用するのが一般的です。<button data-custom-attribute="myValue">Click me</button>


ReactJSのエラー解決: '<'トークン問題

日本語解説ReactJSで開発をしている際に、しばしば遭遇するエラーの一つに「Unexpected token '<'」があります。このエラーは、通常、JSXシンタックスを正しく解釈できない場合に発生します。原因と解決方法JSXシンタックスの誤り タグの閉じ忘れ すべてのタグは、対応する閉じタグが必要です。 属性の引用 属性値は常に引用符(シングルまたはダブル)で囲む必要があります。 コメントの誤り JavaScriptスタイルのコメント(//や/* ... */)は、JSX内で使用できません。代わりに、HTMLスタイルのコメント(``)を使用します。


React ドラッグ機能実装ガイド

React でコンポーネントや div をドラッグ可能にするには、通常、次のステップに従います。React DnD ライブラリを使用することで、ドラッグアンドドロップ機能を簡単に実装できます。このライブラリの useDrag フックは、ドラッグ可能な要素を定義するために使用されます。