Next.jsで「Hydration failed because the initial UI does not match what was rendered on the server」エラーが発生した場合の解決方法
React 18における「Hydration failed because the initial UI does not match what was rendered on the server」エラーの解説
React 18でサーバーサイドレンダリング(SSR)を使用する場合、「Hydration failed because the initial UI does not match what was rendered on the server」というエラーが発生する可能性があります。これは、サーバーでレンダリングされたHTMLとブラウザで最初にレンダリングされたReactツリーが一致しないことが原因です。
原因
このエラーは、以下のいずれかの原因で発生します。
- ブラウザのみのAPIを使用している
window
オブジェクトやlocalStorage
などのブラウザのみのAPIをレンダリングロジックで使用すると、このエラーが発生します。
- サーバー側とクライアント側で異なるコンテンツをレンダリングしている
コンポーネントがサーバー側とクライアント側で異なるコンテンツをレンダリングすると、このエラーが発生します。
- DOM操作が正しく行われていない
dangerouslySetInnerHTML
などのDOM操作が正しく行われていないと、このエラーが発生します。
ブラウザのみのAPIを使用する必要がある場合は、useEffect
フックを使用して、ブラウザで実行されるコードにカプセル化します。
コンポーネントがサーバー側とクライアント側で異なるコンテンツをレンダリングする必要がある場合は、useState
フックを使用して、サーバー側で初期状態を設定し、クライアント側で更新します。
- DOM操作を正しく行う
Next.jsでの解決策
Next.jsを使用している場合は、以下の方法でこのエラーを解決できます。
- getStaticPropsまたはgetServerSidePropsを使用する
getStaticProps
またはgetServerSideProps
を使用して、サーバー側でコンポーネントのHTMLをレンダリングします。
- useEffectフックを使用する
ブラウザで実行されるコードをuseEffect
フックにカプセル化します。
- dangerouslySetInnerHTMLの使用を避ける
dangerouslySetInnerHTML
の使用を避け、代わりにuseMemo
フックを使用して、サーバー側でレンダリングされたHTMLを保持します。
このエラーが発生した場合、ブラウザの開発者ツールを使用して、サーバーでレンダリングされたHTMLとブラウザで最初にレンダリングされたReactツリーを比較することができます。
補足
- Hydration
Hydrationは、サーバーでレンダリングされたHTMLを、Reactコンポーネントのツリーに変換するプロセスです。
- SSR
SSRは、サーバー側でReactコンポーネントをレンダリングし、HTMLをクライアントに送信する技術です。
用語集
- useEffect
ブラウザでコンポーネントがマウントされた後、または状態が更新された後に実行されるフックです。
- useState
コンポーネントの状態を管理するためのフックです。
- getStaticProps
ビルド時に実行される関数で、コンポーネントのpropsを返すことができます。
- getServerSideProps
HTML文字列をDOM要素に直接挿入するためのプロパティです。
- useMemo
値をキャッシュし、再レンダリングを回避するためのフックです。
import React from 'react';
function App() {
const [count, setCount] = React.useState(0);
React.useEffect(() => {
// ブラウザのみのAPIを使用
console.log(window.location.href);
}, []);
return (
<div>
<h1>カウント: {count}</h1>
<button onClick={() => setCount(count + 1)}>+</button>
</div>
);
};
export default App;
このコードでは、useEffect
フックを使用して、ブラウザのみのAPIであるwindow.location.href
を使用しています。このため、サーバーでレンダリングされたHTMLとブラウザで最初にレンダリングされたReactツリーが一致せず、エラーが発生します。
このエラーを解決するには、以下のコードのように、useEffect
フック内でwindow
オブジェクトを使用するコードをラップします。
import React from 'react';
function App() {
const [count, setCount] = React.useState(0);
React.useEffect(() => {
// ブラウザのみのAPIを使用
if (typeof window !== 'undefined') {
console.log(window.location.href);
}
}, []);
return (
<div>
<h1>カウント: {count}</h1>
<button onClick={() => setCount(count + 1)}>+</button>
</div>
);
};
export default App;
このコードでは、typeof window !== 'undefined'
を使用して、ブラウザでのみ実行されるコードであることを確認しています。
以下のコードは、「Hydration failed because the initial UI does not match what was rendered on the server」エラーが発生するその他の例です。
import React from 'react';
function App() {
const [count, setCount] = React.useState(0);
return (
<div>
<h1>カウント: {count}</h1>
{count > 0 && <p>カウントが1以上です</p>}
<button onClick={() => setCount(count + 1)}>+</button>
</div>
);
};
export default App;
このエラーを解決するには、以下のコードのように、useState
フックを使用して、サーバー側で初期状態を設定します。
import React from 'react';
function App() {
const [count, setCount] = React.useState(0);
React.useEffect(() => {
// サーバー側で初期状態を設定
if (typeof window === 'undefined') {
setCount(1);
}
}, []);
return (
<div>
<h1>カウント: {count}</h1>
{count > 0 && <p>カウントが1以上です</p>}
<button onClick={() => setCount(count + 1)}>+</button>
</div>
);
};
export default App;
import React from 'react';
function App() {
const [count, setCount] = React.useState(0);
React.useEffect(() => {
// DOM操作が正しく行われていない
document.getElementById('count').innerHTML = count;
}, [count]);
return (
<div>
<h1>カウント: {count}</h1>
<p id="count"></p>
<button onClick={() => setCount(count + 1)}>+</button>
</div>
);
};
export default App;
このコードでは、useEffect
フックを使用して、count
の値をp
要素のinnerHTMLプロパティに設定しています。しかし、このコードは正しく
「Hydration failed because the initial UI does not match what was rendered on the server」エラーを解決するその他の方法
dangerouslySetInnerHTML
は、HTML文字列をDOM要素に直接挿入するためのプロパティです。しかし、このプロパティを使用すると、Hydrationエラーが発生する可能性があります。
- React.createElementを使用する
React.createElement
を使用して、HTML要素をプログラム的に作成することができます。
- useMemoを使用する
useMemo
を使用して、HTML文字列をキャッシュし、再レンダリングを回避することができます。
StrictMode
は、React開発環境でのみ有効な開発モードです。StrictMode
を有効にすると、潜在的なパフォーマンスの問題やHydrationエラーを検出することができます。
ライブラリのバージョンを確認する
使用しているライブラリのバージョンが最新であることを確認してください。古いバージョンのライブラリには、Hydrationエラーを引き起こすバグが含まれている可能性があります。
開発者ツールを使用する
その他のヒント
- Hydrationエラーが発生した場合は、エラーメッセージをよく読んでください。 エラーメッセージには、エラーの原因に関する情報が含まれています。
- サーバー側とクライアント側で同じコードを使用するようにしてください。 コードが異なると、Hydrationエラーが発生する可能性があります。
- 状態管理を適切に行うようにしてください。 状態管理が適切に行われていないと、Hydrationエラーが発生する可能性があります。
上記の情報を参考に、エラーを解決してください。
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