Angular::ng-deepの代替手段:コンポーネントスタイルのカスタマイズとカプセル化のベストプラクティス

2024-06-13

Angularにおける::ng-deepの非推奨化と代替手段

しかし、::ng-deepと呼ばれる擬似クラスを使用すると、このカプセル化を破って、別のコンポーネント内の要素にスタイルを適用することができます。これは、サードパーティライブラリから提供されるコンポーネントのスタイルをカスタマイズしたり、コンポーネントツリー内の特定の要素にスタイルを適用したい場合などに役立ちます。

::ng-deepは、Angular 6以降で非推奨とされています。これは、::ng-deepがスタイルのカプセル化を破るため、コンポーネントのコードが複雑になり、デバッグが難しくなる可能性があるためです。

::ng-deepの代わりに、以下の代替手段を使用することができます。

  • コンポーネントの公開APIを使用する: 多くのコンポーネントは、スタイルをカスタマイズするためのAPIを公開しています。コンポーネントのドキュメントを確認して、利用可能なAPIがあるかどうかを確認してください。
  • コンポーネントのスタイルを継承する: コンポーネントを継承することで、親コンポーネントのスタイルを子コンポーネントに適用することができます。
  • CSSカスタムプロパティを使用する: CSSカスタムプロパティを使用して、コンポーネント間でスタイルを共有することができます。
  • ViewEncapsulationを使用する: ViewEncapsulationを使用して、コンポーネントのスタイルがどの程度他のコンポーネントに影響を与えるかを制御することができます。

これらの代替手段は、::ng-deepよりもカプセル化を維持しながら、コンポーネントのスタイルをカスタマイズする方法を提供します。

例:

以下の例では、::ng-deepを使用して、app-componentコンポーネント内のすべてのbutton要素に赤い背景色を設定する方法を示します。

/* app-component.css */
::ng-deep button {
  background-color: red;
}

このコードは、app-componentコンポーネントとその子コンポーネント内のすべてのbutton要素に赤い背景色を設定します。

代替手段:

以下の例では、button要素のスタイルをカスタマイズするためにコンポーネントの公開APIを使用する方法を示します。

// app.component.ts
export class AppComponent {
  buttonColor = 'red';

  getStyle() {
    return {
      backgroundColor: this.buttonColor
    };
  }
}

// app.component.html
<button [style]="getStyle()">ボタン</button>

このコードでは、buttonColorプロパティを使用してbutton要素の背景色を制御します。

::ng-deepは、Angular 6以降で非推奨とされており、新しいプロジェクトでは使用を避けるべきです。上記の代替手段を使用して、コンポーネントのスタイルをカスタマイズすることができます。




サンプルコード:Angularにおける::ng-deepの代替手段

例1:コンポーネントの公開APIを使用する

app.component.ts

export class AppComponent {
  buttonColor = 'red';

  getStyle() {
    return {
      backgroundColor: this.buttonColor
    };
  }
}
<button [style]="getStyle()">ボタン</button>

説明:

  • AppComponentコンポーネントには、buttonColorプロパティとgetStyleメソッドが定義されています。
  • getStyleメソッドは、button要素の背景色を設定するためのスタイルオブジェクトを返します。
  • button要素のstyleバインディングを使用して、getStyleメソッドから返されたスタイルオブジェクトを適用します。

この例では、child-componentコンポーネントがapp-componentコンポーネントのスタイルを継承する方法を示します。

/* app-component.css */
button {
  background-color: red;
}
/* child.component.css */
/* コンポーネントのスタイルを継承する */
<button>ボタン</button>
  • app-component.cssには、button要素の背景色を赤に設定するスタイルルールが定義されています。
  • child.component.cssにはスタイルルールが定義されていませんが、app-componentコンポーネントのスタイルを継承するため、button要素は赤い背景色になります。

例3:CSSカスタムプロパティを使用する

styles.css

/* styles.css */
:root {
  --button-color: red;
}
/* app.component.css */
button {
  background-color: var(--button-color);
}
/* child.component.css */
button {
  background-color: var(--button-color);
}
<button>ボタン</button>
  • styles.cssには、--button-colorというCSSカスタムプロパティが定義されています。
  • app-component.csschild.component.cssは、var(--button-color)を使用してbutton要素の背景色を設定します。
  • styles.cssで定義された--button-colorプロパティの値が、app-componentコンポーネントとchild-componentコンポーネントのbutton要素に適用されます。
import { Component, ViewEncapsulation } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-component',
  templateUrl: './app.component.html',
  styleUrls: ['./app.component.css'],
  encapsulation: ViewEncapsulation.None
})
export class AppComponent {
  buttonColor = 'red';

  getStyle() {
    return {
      backgroundColor: this.buttonColor
    };
  }
}
/* child.component.css */
button {
  background-color: green;
}
<button>ボタン</button>
  • app.component.tsでは、ViewEncapsulation.Noneencapsulationプロパティに設定することで、app-componentコンポーネントのカプセル化を無効化しています。



Angularにおける::ng-deepの代替手段:詳細情報

  • ViewEncapsulationを使用する

各代替手段の詳細

以下では、各代替手段について詳しく説明します。

export class AppComponent {
  buttonColor = 'red';

  getStyle() {
    return {
      backgroundColor: this.buttonColor
    };
  }
}
<button [style]="getStyle()">ボタン</button>

    利点:

    • コンポーネントのスタイルをカプセル化する方法として推奨されています。
    • コードが読みやすく、保守しやすい。
    • すべてのコンポーネントが公開APIを提供しているわけではありません。
    /* app-component.css */
    button {
      background-color: red;
    }
    
    /* child.component.css */
    /* コンポーネントのスタイルを継承する */
    
    <button>ボタン</button>
    
      • コードの重複を減らすことができます。
      • コンポーネントのスタイルを一貫性のある方法で維持することができます。
      • 親コンポーネントのスタイルを変更すると、子コンポーネントにも影響を与えてしまいます。
      /* styles.css */
      :root {
        --button-color: red;
      }
      
      /* app-component.css */
      button {
        background-color: var(--button-color);
      }
      
      /* child.component.css */
      button {
        background-color: var(--button-color);
      }
      
      <button>ボタン</button>
      
      • app-component.cssと`child.component

      angular


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      代わりに、以下の方法を使用することを検討してください。コンポーネントのスコープ内でスタイルを定義するコンポーネントのスタイルを styleUrls または styles プロパティ内で定義することで、スタイルがそのコンポーネントとその子孫にのみ適用されます。