ViewChildとContentChildを使ってAngularで子コンポーネントにアクセスする方法

2024-06-13

TypeScriptとAngularにおける親コンポーネントのプロパティへのアクセス方法

@Inputデコレータは、子コンポーネントのプロパティが親コンポーネントからバインディングされることを示します。親コンポーネントのテンプレートで、子コンポーネントのプロパティに値をバインドすることができます。

以下の例では、親コンポーネント parent.component.ts と子コンポーネント child.component.ts を作成します。親コンポーネントは、message というプロパティを持つ child.component.tsmessage という名前のプロパティにバインディングします。

parent.component.ts

import { Component } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-parent',
  template: `
    <app-child [message]="message"></app-child>
  `,
})
export class ParentComponent {
  message = 'Hello from parent!';
}
import { Component, Input } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-child',
  template: `
    <p>{{ message }}</p>
  `,
})
export class ChildComponent {
  @Input() message: string;
}

この例では、parent.component.tsmessage プロパティの値は、child.component.tsmessage プロパティにバインディングされます。したがって、child.component.ts のテンプレートには、"Hello from parent!"と表示されます。

その他のデータ共有方法

@Outputデコレータ

@Outputデコレータは、子コンポーネントから親コンポーネントにイベントを発行する方法を提供します。親コンポーネントは、子コンポーネントから発行されるイベントをリッスンすることができます。

サービスは、コンポーネント間でデータを共有するための別の方法です。サービスは、コンポーネントから依存関係として注入することができます。

NgOnChanges

NgOnChanges ライフサイクルフックは、親コンポーネントからバインディングされたプロパティの値が変更されたときに子コンポーネントで呼び出されます。

これらの方法は、それぞれ異なるユースケースに適しています。具体的な状況に応じて、適切な方法を選択する必要があります。




サンプルコード:親コンポーネントから子コンポーネントへのプロパティアクセス

import { Component, OnInit } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-parent',
  templateUrl: './parent.component.html',
  styleUrls: ['./parent.component.css']
})
export class ParentComponent implements OnInit {

  // 親コンポーネントに表示するデータ
  parentData = {
    message: 'Hello from parent!',
    user: {
      name: 'John Doe',
      age: 30
    }
  };

  constructor() { }

  ngOnInit(): void { }
}
<div class="parent">
  <h2>親コンポーネント</h2>
  <p>{{ parentData.message }}</p>
  <p>ユーザー名: {{ parentData.user.name }}</p>
  <p>年齢: {{ parentData.user.age }}</p>

  <app-child [parentData]="parentData"></app-child>
</div>
import { Component, Input } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-child',
  templateUrl: './child.component.html',
  styleUrls: ['./child.component.css']
})
export class ChildComponent {

  // 親コンポーネントから受け取るデータ
  @Input() parentData: any;

  constructor() { }
}
<div class="child">
  <h2>子コンポーネント</h2>
  <p>親コンポーネントから受け取ったメッセージ: {{ parentData.message }}</p>
  <p>ユーザー情報:</p>
  <ul>
    <li>名前: {{ parentData.user.name }}</li>
    <li>年齢: {{ parentData.user.age }}</li>
  </ul>
</div>

この例では、親コンポーネント parent.component.tsparentData という名前のオブジェクトを持っています。このオブジェクトには、messageuser というプロパティがあります。user プロパティは、nameage というプロパティを持つ別のオブジェクトです。

親コンポーネントのテンプレートでは、app-child コンポーネントタグを使用して子コンポーネントを挿入します。[parentData] バインディングを使用して、parentData オブジェクトを子コンポーネントの parentData プロパティにバインドします。

子コンポーネントの child.component.ts は、@Input デコレータを使用して parentData プロパティを定義します。このデコレータにより、親コンポーネントから値を受け取る準備が整っていることを示します。

子コンポーネントのテンプレートでは、{{ parentData.message }} および {{ parentData.user.name }} などの式を使用して、親コンポーネントから受け取ったデータを表示します。

このサンプルコードは、親コンポーネントから子コンポーネントに単純なオブジェクトをどのように渡すかを示しています。より複雑なデータ構造や、イベントを使用してコンポーネント間で通信する方法については、Angularのドキュメントを参照してください。

補足

  • この例では、@Input デコレータを使用して、親コンポーネントから子コンポーネントにデータをバインディングしています。これは、コンポーネント間でデータを共有する最も一般的な方法の1つです。
  • 子コンポーネントは、親コンポーネントから受け取ったデータを変更することはできません。親コンポーネントでデータを変更する必要がある場合は、@Output デコレータとイベントを使用して、子コンポーネントから親コンポーネントに通知する必要があります。
  • コンポーネント間でデータを共有する別の方法として、サービスを使用する方法があります。サービスは、コンポーネントから依存関係として注入できる共有可能なクラスです。



TypeScriptとAngularにおける親コンポーネントのプロパティへのアクセス方法:その他の方法

NgOnChanges ライフサイクルフック

NgOnChanges ライフサイクルフックは、親コンポーネントからバインディングされたプロパティの値が変更されたときに子コンポーネントで呼び出されます。このフックを使用して、プロパティの変更を検出し、それに応じてコンポーネントのロジックを更新することができます。

import { Component, Input, OnChanges } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-child',
  template: `
    <p>親コンポーネントから受け取ったメッセージ: {{ message }}</p>
  `,
})
export class ChildComponent implements OnChanges {

  @Input() message: string;

  ngOnChanges(changes: SimpleChanges): void {
    for (const propName in changes) {
      if (propName === 'message') {
        const newMessage = changes.message.currentValue;
        console.log('メッセージが変更されました: ', newMessage);
      }
    }
  }
}

ViewChild および ContentChild

ViewChildContentChild プロパティは、コンポーネントテンプレート内の子コンポーネントインスタンスにアクセスするために使用できます。これらのプロパティを使用して、子コンポーネントのプロパティやメソッドを直接呼び出すことができます。

ViewChild は、テンプレート内で定義された子コンポーネントインスタンスにアクセスするために使用されます。

import { Component, Input, ViewChild } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-parent',
  template: `
    <app-child #child></app-child>
    <button (click)="changeMessage()">メッセージを変更</button>
  `,
})
export class ParentComponent {
  @ViewChild('child') child: ChildComponent;

  changeMessage() {
    this.child.message = 'メッセージが変更されました!';
  }
}
import { Component, Input, ContentChild } from '@angular/core';

@Component({
  selector: 'app-parent',
  template: `
    <ng-template [appMyNgTemplate]="myTemplate">
      <app-child></app-child>
    </ng-template>
  `,
})
export class ParentComponent {
  @ContentChild(ChildComponent, { static: true }) child: ChildComponent;

  myTemplate = `<ng-content></ng-content>`;
}

サービスは、コンポーネント間でデータを共有するための別の方法です。サービスは、コンポーネントから依存関係として注入できる共有可能なクラスです。サービスを使用して、親コンポーネントと子コンポーネント間でデータをやり取りすることができます。

import { Injectable } from '@angular/core';

@Injectable({
  providedIn: 'root'
})
export class DataService {

  private data: any;

  setData(data: any) {
    this.data = data;
  }

  getData() {
    return this.data;
  }
}
import { Component, OnInit, Inject } from '@angular/core';
import { DataService } from './data.service';

@Component({
  selector: 'app-parent',
  template: `
    <app-child [data]="data"></app-child>
  `,
})
export class ParentComponent implements OnInit {

  data: any;

  constructor(private dataService: DataService) { }

  ngOnInit(): void {
    this.data = this.dataService.getData();
  }
}
import { Component, Input, Inject } from '@angular/core';
import { DataService } from './data.service';

@Component({
  selector: 'app-child',
  template: `
    <p>親コンポーネントから受け取ったデータ: {{ data }}</p>
  `,
})
export class ChildComponent {

  @Input() data: any;

  constructor(private dataService: DataService)

typescript angular


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